民宿-3
「ねえねえケン兄、」
「何だ?」
「またケン兄の、咥えたい。」
「えー・・・。」
「ねえ、お願い。」
ケンジは下着を脱ぎ去り全裸になった。
「あたし、こうしてるから、ケン兄のをあたしの口に入れてよ。」
「え?う、上からか?」
「うん。だってケン兄、仰向けになれないんでしょ?背中が痛くて。」
「そ、そりゃそうだけど・・・。」
「昼間みたいに、反対向きでお互いに口で・・・。」
「わ、わかった。」ケンジは身体を起こした。「で、でもっ!俺、もうお前の口には出さないからな。」
「ふふ、ケン兄、そんなに抵抗があるの?」
「ある。」
「わかった。じゃあ直前でやめさせて。」
ケンジは身体を反転させてマユミの秘部に舌を這わせ始めた。「あ、ああん・・・。」マユミが喘ぎだした。ケンジの舌がマユミのクリトリスを捉えると、マユミは目の前のケンジのペニスを手で掴んで、自分の口に咥え込んだ。
「ううっ!」ケンジも呻いた。
しんとした部屋の中にぴちゃぴちゃという音が響く。ケネスは思わず下着越しに自分の股間に手を当てた。
しばらくその行為を続けていたケンジは、興奮の高まりに危機感を覚えて、マユミの口からペニスを引き抜いた。そしてマユミと同じ方向に身体を向け直すと、マユミの口の周りを丁寧に舐めた。
「マユ、ありがとう。気持ちよかった。」
「あたしも、ケン兄。」
「俺、入れたい、マユに。入れていい?」
「いいよ。来て、ケン兄。」
ケンジはマユミの脚を抱え上げて大きく開かせた。そしてそっとペニスを彼女の谷間にあてがった。「いくよ、マユ。」
「うん。来て。」
ケンジはゆっくりとマユミに挿入させ始めた。「あ、あああ、ケン兄・・・。」
「マ、マユ、大声出すなよ。」
「うん、わかってる。ケン兄もね。」
「(全部聞こえとるがなー。)」ケネスは辛そうに独り言を言った。そして布団の中で下着を下ろし、ペニスを掴んでさすり始めた。「(ん、んんっ・・・。)」
ケンジは腰を前後に動かし始めた。
安普請な民宿で、温度調節の利かない空調のせいで寒いぐらいに冷えた部屋の中で、ケンジとマユミは全身に汗を滲ませながら同じように揺れ動いていた。
ケネスはその月明かりに浮かび上がった二人の躍動する様子を、もうしっかりとまぶたを開き、その蒼い目でつぶさに見ながら高まる興奮に身を預け始めていた。
マユミが思わず腕を伸ばし、ケンジの背中を抱こうとした。ケンジはとっさに彼女のその腕をとり、布団に押さえつけた。そしてさらに激しく腰を動かした。
「あ、ああ、ケン兄、ケン兄、あたし、あたしっ!」マユミの声が大きくなってきた。ケンジはマユミの腕を押しつけたまま、身体を倒して彼女の口を自分の口で塞いだ。「んん、んんんっ!」マユミは声を出すことができず、苦しそうに大きく呻いた。
「んん、んんっ!」ケンジもそのまま呻き始めた。そして腰の動きが最高潮になった次の瞬間、びくっ、びくっ!重なった二人の身体が同時に数回跳ね上がった。「んんーっ!」マユミもケンジもお互いの口を吸い合ったまま大きく呻いた。
「うう、くっ!」ケネスは布団の中で、ペニスを包み込んだティッシュの中に、激しく身体の中で熱く煮え立っていたマグマを何度も放出させた。「ぐっ、んっ、んんっ!」
ケンジの体内に溜まっていた熱いエキスが、何度もマユミの中に迸った。
いつしか汗だくになっていた二人の身体は、長い間びくびくと痙攣していた。やがてケンジがマユミから口を離すと、はあっ、と大きく二人とも息を吐き出した。そしてそのままはあはあと荒い呼吸を繰り返した。
「マ、マユ・・・・。」
「ケ、ケン兄・・・、とっても気持ちよかった・・・。」
「俺もだ、マユ。」
ケンジとマユミは繋がったままお互いの顔を見つめ合った。
「ケン兄のキス、ミントの香りがしたよ。」
「俺も感じた。マユの息は夏の風と同じ香りがしたよ。」
「ケニー、起こさなかったかな・・・。」
ちらりとケネスの布団を見やったケンジは言った。「大丈夫みたいだ。気づいてなさそうだ。」
「(いや、気づかんわけ、あれへんて。あないに激しく求め合っといて、何言うてんねんな。)」