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守りたい。
【初恋 恋愛小説】

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守りたい。-2



俺は覚悟を決めて亜希を説得し、わざとあいつらが待ち伏せする公園を歩いて通る。
案の定、待ち伏せしていて襲い掛かってきた。
「待て!!」
「なんだよ深谷〜いつもみたいに大人しくしてろよ!」
「きょっ今日は亜希ちゃんに手を出すな!!俺がまいったって言うまで!」
「りょうちゃん・・・」
「フンッやれるもんならやってみろよ。赤畑、入江。東堂を捕まえとけ。」
「いくぞ!!!おりゃ−!!」
俺は三河に飛び掛かった。何度も何度も・・・・洋兄みたいに砂まみれで、膝も擦りむいて痛かった。
でも必死で向かって行ってると
「りょうちゃん!頑張れ!負けないで!」
亜希が大きな声で応援し始めた。その瞬間、三河の顔が一瞬しょんぼりした。そして、攻撃が激しくなった。
『もしかして・・・・』
「三河・・・お前亜希ちゃんのこと好きなんじゃ・・・」
「/////////」
図星だ・・・・・
「私・・・りょうちゃんを傷つける人好きじゃない!!」
グサッ
三河の心に何か刺さる音が聞こえた気がした。
そして三河は泣きながらどこかへ走って行った・・・。もちろん赤畑と入江を連れて。
「亜希ちゃん大丈夫?」
「うん!りょうちゃんかっこよかったよ〜♪」
「そんなことないよ/////」

どうやら亜希が転んだ三河の傷を手当てしてあげたことで、三河は亜希のことが好きになり、とにかく亜希の気をひこうとあんなことをしたらしい。
そして亜希の言ったことがよほどキツかったのだろう。それから三河たちが亜希をいじめることはなかった。でも亜希だって苦しかったんだ、それくらいは当然だろう。
しかし、一つだけ俺は三河に感謝していることがある。それは亜希が好きだと気付けたこと。
三河が亜希を好きなんだということを思っただけで、心がモヤモヤした。龍兄になんだろうと聞いたら
「そりゃ亜希ちゃんが好きだからだろ?わかるなぁ!亜由って気が強いけど、美人だろ?だから結構モテるんだよ・・・・。俺は亜由のことが好きって言ってるやつがいるたびに、良平みたいにモヤモヤするぞ!それだけ好きってことだよ。」
「・・・・俺、亜希ちゃんが好きだ。亜希ちゃんの笑顔が大好きだ!だから亜希ちゃんを守りたい。そのために空手やるよ!!」

数日後−−−−−−

今日は定期的におこなっている東堂家と深谷家の合同バーベキュー大会の日。
会場は東堂家の庭。
親は親同士、子供は子供同士で話していた。
「でね、りょうちゃんが私を守ってくれたんだ!」
「かっこいいね!良平!龍平もこれくらい男らしいといいんだけど・・・」
「なっ!亜由こそもっと女らしくしろよな!嫁にしてやんねぇぞ!」
「誰があんたの嫁になるのよ!もうしらないっ!」
プイッ
「あ〜亜由〜ごめん!許してくれよ〜」
「小5のくせに嫁に行くだ行かないだ・・・生意気なんだよ!」
「そうだそうだ!」
洋兄の言葉にすかさず亜哉兄が同賛する。中2になるのに彼女も作らず空手ばかりやってる、恋愛に無関心な2人でもここまで見せ付けられては、文句の一つも言いたくなる。
そして友情にも恋愛にも参加出来ない、可哀相な余り者、高1の亜雄兄は、亜希を膝に乗せて恐る恐る聞いた。
「あっ亜希は誰のお嫁さんになるんだ?」
ちなみに亜雄兄と亜哉兄は亜希に対してかなりのシスコンである。
「ん〜私は・・・・」
亜雄兄、亜哉兄、洋兄、龍兄、亜由姉、そして俺。みんなの視線を受けながら亜希は・・・・
「ん〜とね、りょうちゃん!!」
それを聞いた時、俺は本当に嬉しくて思わずにやけてしまった。
亜雄兄&亜哉兄の鋭い視線に突き刺されながらも・・・・・


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