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溺れる爪痕
【ファンタジー 官能小説】

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凌辱-9

 チカチカと目の前で火花が飛び交い、シウの焦点がぶれた。

「ん、あっ・・ぁ、あ、・・・っぁあ・・・・っ」

ごしごしと柔らかい壁を磨かれているような痛く脳に突き刺さる感覚。

恥骨の内と外で圧迫を掛けてくるブラシの振動は、的確に彼女の未開拓な場所を捉え攻め立てる。

次第に、ちょろ・・と先走る生暖かい液体が尻を伝い零れ、リリスが両方のブラシに小刻みな律動を加えれば、途端、シャアアアっと勢いよく尿が放たれた。

「ほら、綺麗になりましたよ。さっぱりしたでしょう?」

「ふあっ、ああ・・・っ・・!ん、ぐっう・・っ」

一気に脱力感がのし掛かった身体に追い討ちを掛ける口内への洗礼。

どろりとした液体が喉奥にこびりつき、息をつく間もなくシウは痺れる舌を震わせる。

訳も分からず、今まで経験したことのない苦痛と混乱で生理的な涙が溢れた。

それはこめかみを伝い濡れた髪に吸い込まれて、無機質なタイルの床に滴り落ちる。

奴隷になっていたら、きっとこんな仕打ちを受け続けたのだろう。昨日まで寝床を共にしていた娘たちは、いつかこんな仕打ちを受けるのだろう。

薄れてもすぐに引き戻される思考の片隅で、そう思ったシウに過ったのは――目の前を覆う黒いローブ。

「っ、ああっ・・・ア、・・ズー・・ル・・・・」

最早全身何で濡れているのか、ドロドロに溶けてしまいそうな身体が麻痺するなか、涎と精液にまみれた唇が震える。

「・・・・アズール・・、っ・・・アズール・・・!」

咽は爛れたように渇れ掠れた声は、しかしはっきりとその名を叫ぶ。

混濁した視界、脳裏に過った黒。

「遅くなってごめんね、シウ」

まだ馴染みのない柔らかい声が耳たぶを打つ。

それが現実に聞こえた声なのか、ただの幻聴なのか。

その瞬間、ぷっつりと意識を手放した彼女に判断するすべはなかった。


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