記憶と妄想-5
「・・・本当?」
美菜子は涙に濡れた顔をようやく上げ、富田を見た。
「嘘なら、こうはならないだろ?」
美菜子を膝に載せたまま富田が腰を振る。
「あっ・・・やぁぁん・・・」
美菜子の尻を熱く堅いモノがゴツゴツと撫で、美菜子は仰け反った。
「かわいい声だねぇ。今すぐにも裸にして、美菜子ちゃんの身体を味わいたいよ」
富田は美菜子を抱きすくめ、耳元に熱い吐息を残す。
「ご、ご迷惑でなければ、そうしていただけませんか・・・」
美菜子も富田の耳に囁いたが、富田は美菜子の感触を腕の中でほんの暫く確かめた後、美菜子を膝から下ろした。
「ごめんね。今、時間がないんだ」
考えてみれば、いきなり電話をしたのは美菜子の方だ。
(時間がないだけ、時間が・・・)
玄関に向かう富田の背中を見ながら、美菜子は自分にそう言い聞かせる。
「今夜、大丈夫かな?」
靴をはいていた富田が唐突に口を開いた。
「え?」
「今夜12時は過ぎるかも知れないけど、朝まで話しよう、な?」
富田は美菜子にそう言って唇を突き出す。
「はい、約束のチューして」
「え?え?」
戸惑う美菜子の前で富田が目を閉じる。美菜子はそっと富田の肩に手を置くと、突き出された唇に唇を重ねた。
「あっ!」
富田は美菜子を抱き締め、歯がぶつかってしまうほど唇を合わせる。
「んっ、んふっ・・・んぅ・・・」
強張っていた美菜子の身体から力が抜けて行くと、富田は美菜子の口内に舌を侵入させ、ねぶり回す。
「んっ・・・んっ・・・」
美菜子の舌が遠慮がちに富田の舌に絡み、富田は背中に回していた両手で美菜子の尻を鷲掴みにした。
「あっ・・・」
尻の割れ目に富田の指がずむっと食い込み、下腹部に堅いモノが押し付けられる。パンティ越しに太い指が秘裂を擦って美菜子の腰が踊ると、富田はようやく美菜子を離した。
「楽しみだね」
美菜子は蕩けそうな顔で富田を見上げ、こくんと頷く。富田はドアの方を向くと、“あああっ”と言って股間を擦り、足元の箱を拾い上げてドアを開けた。
「ありがとうございました」
そう言って扉を閉めた。
美菜子はぼんやりと風呂を掃除し、ベッドを整えてソファに寝そべる。灯りを点けていない部屋を暗闇が包み始めても、カーテンの開け放たれた窓から街の灯りが忍び込んだ。