〜俺がハーレム主人公に!?2〜-1
1
連れて来られたのは小さな町のなかにある一軒家だった。
部屋の中に入ると、綺麗に片付いており、白い壁が清潔感を引き立ててた。
リアとヨーナは着替えると言って先に部屋に戻った。
「あなたの部屋は2階の一番奥よ。荷物を置いたらリビングに来てね」
「はい」
まあ、荷物って言ったって俺の近くにあったこの袋だけだが。
服を買わなきゃな。
2階の廊下を歩き、一番奥まできたが、ここで問題が起きた。
ドアが2つあるのだ。
どちらか悩んだ末、向かって右側のドアを開けた。
すると―下着姿のリアがいた。
「………」
「………」
リアは口をパクパクさせて驚き、俺はその姿を凝視してしまった。
何と言う定番なシチュエーションだろうか。
フラグがひとつたったな。
などと考えていると
「この、性犯罪ー! 早く閉めなさいよ!」
「ご、ごめん!」
俺は(叫ばれた事に対する)驚きと(美しさに対する)驚きにより、向かい側の正解の方のドアを開け、そこに逃げ込んだ。
すると、今度はまたしても下着姿のヨーナがいるではないか。
「おやおや〜? リアお姉ちゃんの悲鳴が聞こえたと思ったらこーいうことかー。今度はあたしがターゲットって所かな?」
「いや…そんなつもりじゃ……」
「いいんだよ〜? 隠さなくてもさ。どうせならこのままHなことしちゃう?」
少し腰を屈め、胸の谷間を見せつけるような体制で上目遣いをし、エロい笑みを浮かべながら、ヨーナは言った。
「え…あ、いや…ちょ……」
あまりの突然の誘いに俺はどもった。
「ふふっ、あははははは! 冗談だよ、からかってごめんね〜」
なんだよ、冗談かよ!
期待した俺がバカだった…。
ヨーナは顔を俺に近づけ、
「そーゆーのは夜まで待って、ね?」
と耳元で囁いた。
「え……?」
俺はしっかりとその言葉を理解する前に、着替えるから、と言われ部屋を出されてしまった。
「あ…」
同時に俺は重大なことに気が付いた。
―結局俺の部屋はどこなんだろう…?