サプライズ・カウンター-7
『お前はエエけど、俺はマヌケやな。』
『何で？』
『だって、パンツに革靴やで。まるで、変態のオッさんや。』
つい、吹き出してしまった。確かに、言われてみればそうだ。
『ムードないなぁ…じゃ、全部脱いで。』
『あんま急かすなって。こっちも恥ずかしいんやから。』
いそいそと脱ぎ始める。おかげで少し、落ち着きを取り戻した。
『よっしゃっ！これで完璧っ！』
そう言って、一糸纏わぬ姿の彼が抱き締めてくれた。自然と私の腕も彼の背中に回る。
『あったかい…』
胸に耳を当てる。規則正しく、少し早い鼓動が聞こえた。
『ドキドキしてる？』
『当ったり前やん。』
そう言って、彼が唇を重ねた。あまり濃厚ではない。でも充分な温もりが伝わってきた。
『いづみ…』
彼の腕が私を抱えた。優しくカウンターの上に降ろされる。
『今度はこっちの番や。』
背中に回っていた彼の手が、ブラのホックを一発で外す。私の胸があらわになった。
『エエ形やな…』
胸は私の自慢だ。友達にはＣと言い張ってはいるが、ホントはＢ。しかし乳首の色も薄く、上を向いている。同性からも羨ましがられる将来有望な逸材。
彼の手が胸に置かれる。優しく、温かく、何とも言えない心地よさ。
ゆっくりと先端を指で弾く。
『はぁんっっ！』
一瞬、電気が走った。敏感になりすぎてる。こんなに感じた事など一度もなかった。
彼の唇が吸い付いてきた。もう、ワケが分からない。頭の中が真っ白になる。下の方も、自分で分かるくらい潤っていた。
『はあっっっ！うぅぅぅんっっ…』
唇が胸を経由し、私の脇に到達した。不意に感じた生暖かい湿り気。
『あはぁんっっ！』
彼の舌先が、初めての快感を生み出す。左手で胸、舌で脇。腕を動かしたくとも、彼の右手が離れてくれない。
『ダメっ…ダメぇぇぇっっっ!!』
…ビクンっ！
銀色の巨大な波。鮮やかに光るそれが、私の意識を飲み込んだ。
けだるい。しかし、心地よい感覚。
『はぁぁっ…』
力が抜け、カウンターに横たわる私。しかし、それでは終わらない。彼の舌が、新たなポイントを攻める。
『あくぅぅぅっっ！』
耳。さっきとは違う、ゆっくりとした動き。奥の奥まで入り込む様に徘徊する。そして、左手が私のショーツに…
『うくっっっ！』
触れるか触れないか、本当に微妙な指使い。しかし、研ぎ澄まされた私の五感は、確実にそれを感じ取っていた。さらに、私を狂わす様に耳たぶをしゃぶる。
『ぅんっっ！』
もう限界だった。リミッターを超えた快感。あと一歩で壊れてしまう。
『や…やめ…て…お願い…だから…』
無言。聞いてくれるはずがない。ついに彼の指がショーツをずらし、秘唇に触れた。それと同時に飲み込まれた私の耳。
『かはぁっっっっ！』
…ビクビクッ！
分からなかった。何が私をこうしたのか。気が付いたら、頭の中が透明になっていた。
『かはっ…はっ…』
『いづみ…』
力なく起き上がった私。もう、私の意志じゃなかった。彼の唇に襲い掛かる。
…ぐちゅ、ぷちゅ、ぬちゅ
『んぐっ…』
彼の苦しそうな声。でも関係ない。違う生物に豹変していた私。
そして、彼の肉剣に手が伸びる。堅さを取り戻し、隆起したそれをショーツの脇から導く。唇を塞いだまま、一気に飲み込んだ。
…ずぶぶぶっ！
『んんんっっっっ！』
こらえ切れず漏れる声。先端が奥に当たる感触。もう止まらなかった。下半身が勝手に動く。
『んんっ！んっ！んっっ！』
唇を奪ったまま呻く。快感を貪る、その為だけに腰が前後する。ゴツゴツした角が、柔らかくなった肉壁を擦りあげ、削り取る。
『はぁっっ！』
苦しくなったのか、彼が口を離す。私の声を遮る物がなくなった。
『あぁぁんっ！
はぁんっっ！うぅぅんっっっ！』
響き渡る声。天を見上げ叫ぶ。止む事のない快楽に我を忘れ、腰を打ち付ける。
…くちゅくちゅくちゅくちゅ
規則正しい粘着音。もう自分を止められない。
『もっと…もっとぉぉぉっっ!!』
多分、何度も絶頂を迎えかけていた。だけどもう、そんなのは関係なかった。とにかく彼をイカせたい、私の中に全てを吐き出させたい。それしか考えられなかった。