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サプライズ・カウンター
【その他 官能小説】

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サプライズ・カウンター-8

『い…づみ…』
絞り出す様な彼の声。返事など出来ない。
『好きぃっ!なおゆきっっ!好きぃっっっっ!』
これ以上ない力でしがみつく。椅子の上で悶える彼。
『す…きや…で…』
微かに聞こえた。
たまらない、愛しい、心地よい。もう、数限りない言葉を並べても足りない。そんな想いだった。
…ぶちゅ、ぬちゅ、ぐちゅ
とめどなく流れ出る私の蜜。留まる事を知らないそれは、彼の股間を伝い、椅子まで湿らせていた。
『なおゆきっ…なおゆきぃぃっ!』
『い…づみっ…もぉ…』
彼の言葉を聞いて、首に回した腕に力が入る。もう離さない。何があっても離れたくない。
『ダメや…イキそうや…』
『きてぇっっ!全部…全部ぅっっ!!』
私の中で熱を帯び、堅さを増した先端が一気に奥をえぐる。それに合わせ、肉壁は私の意志と関係なく、肉塊を力強く締め上げた。
『あぁっ!イクっっっ!!』
『いっ…イッちゃうぅっっっ!!』
…どくどくっ!びゅるっ!どぷっっ!!
…ビクンッッ!!
奥に放出される感覚。快楽の液は私の中を満たし、染み込んでいった…

『あっ…ぅんっ…』
虚ろな声。焦点の合わない瞳。力なく垂れ下がった腕。もう、考えられなかった。彼とした。その現実だけ残っている、それだけでよかった。
『いづみ…』
微かに、だがしっかりと聞こえた愛する人の声。
『いづみ、大丈夫か?』
疲れている声。しかし、はっきりとした口調。
『……うん。』
私を元の世界に戻してくれた彼の声。少しずつではあるが、感覚が戻ってきた。
『お前、良すぎやっ!』
いつもの言い回し。安心が心を満たす。微笑む私。
『ありがとう…』
つい、口から出た。心も体も彼で一杯になってる。
『い、いや…俺こそ…』
照れてる。今なら分かる気がする。彼の言葉は照れ隠し。ホントは優しくてイイ人。でも素直じゃない。それが言動に表れていただけ。愛情の裏返しなのかな?
彼の胸に顔をうずめ、聞いてみた。
『重いでしょ?』
『今さら気ィ付いたんか?』
やっぱりヒドい人かも…
『リン、ノド乾いた。ビール!』
『あっ、ハイっ!』
条件反射で出た返事。悲しい習性だ。彼から離れ、冷蔵庫からビールをふたつ出す。
『ほらっ、服着んと。少し、冷えてきたやろ?』
『あっ、ありがとう。』

―二人で着替えてカウンターに座る。でも今までと違う椅子の距離。くっついて座る私。
…プシュッ!
彼が開けてくれた。
『乾杯っ!』…カンッ!
缶の当たる乾いた音。乾いたノドを潤す。一口飲んで、彼の肩に頭を乗せる。
『ねぇ、尚之。』
『何や?』
『前に来てた女の人。あれ、誰?』
今なら聞ける。自信を持ってそう思った。
『あぁ、あれか。あれは…』
彼の言葉が止まる。少しの沈黙。そして出た答えが…
『あれはオカンや。』
『えぇぇっっっっ!?』
『あのなぁ、ホンマのオカンは俺が高三の時に病気で死んどんねん。』
『あっ、ごめんなさい…』
『いや、エエねん。それよりオヤジや。よりによって俺と同い年の、しかも自分の秘書に手ェ出しよってからに…』
『秘書…』
『あぁ。オヤジはある会社の社長や。最近、後継ぎ問題でやたらとグチャグチャ言う様なってなぁ。せやから、自分の嫁はんつこて、俺を今の会社から引きずりだそ考えとんのや。』
母親。確かに血のつながりは無いが、家族の一員。あんな美人が家の中にいる、そんな事を考えると気が重くなる。しかも、思いっ切り想像が飛躍してるし…
自信喪失。そんな状態。
『はぁ〜っ…』
『何や?デカいため息ついて。張り切りすぎて疲れたんか?』
《……》
少し呆れ顔で返事をした私。
『やっぱさぁ…尚之って優しくないでしょ…』
『…ん?』
顔を見合わす二人。私の苦労は、まだ始まったばかり…


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