サプライズ・カウンター-6
彼の腕が腰に回る。そして唇を離し首筋に吸い付く。
『あっっっ!』
痺れが走る。同時に触れた冷たい髪と温かい唇。彼の腕が私のキャミソールの中に入る。
『冷たいよ…』
『せやから言うとるやろっ!』
笑いながら言う彼。
『あっためてあげる…』
濡れたワイシャツのボタンを外す。厚い胸板。鍛えてある。ゆっくりと指を這わす。
『そない触るな。恥ずかしいわ…』
『ふふっ…』
可愛い。急に愛おしくなった。彼の耳元に唇を近付ける。
『うぅぅっっっ!』
軽く触れただけで反応する彼。素直に感じてくれてる。胸が熱くなった。
『尚之…』
指で胸を撫でる。攻め続ける私。彼の息が荒くなる。
『リ、リン…』
『ダメっ。いづみって呼んでくれなきゃ…』
【リン】はお客様の前での私。でも今は、彼の為だけに存在している【いづみ】なんだから。
『今日は思いっ切り、仕返しするからっ!』
気持ちの中に、そんな感情はなかった。ただの照れ隠し。とにかく彼が感じてくれてる、それがたまらなく嬉しい。
『いづみ…』
彼の指が、私の背中をなぞる。心地よい感触。あまり丁寧ではない。しかし優しさがいっぱい詰まってる。
『んっ…』
知らないウチに声が出た。触れるとこ、全てが気持ち良かった。
『なおゆきぃ…』
力任せにワイシャツをはぎ取る。もう、私は私じゃなかった。待ちきれない衝動。露出された胸に喰らいつく。
『あうぅっっっ!』
彼の声が媚薬になって私を興奮させる。左の手の平はもう、股間の膨らみに添えられていた。
彼の手が私の髪を撫でる。快感に耐える為、そう思えた。
『うくぅっっっ!』
舌を這わす度、次から次へと歓喜の声が漏れる。膨らみに沿ってファスナーを下ろす。私の指で自由を得たそれは、熱く煮えたぎり脈打っていた。
《すごい…》
目を奪われる。もう、それしか見えなかった。自然と顔が近づく。何の躊躇もなく、一気に舐めあげた。
『あくっっっっ!』
舌が蠢く。先端から湧き出る蜜をすくいあげ、指は幹を刺激する。徐々にエスカレートする舌の動き。まとわり付く様に、彼の肉塊を攻める。
『くぅっっ!』
椅子の上で仰け反る彼の前でひざまずく。それでも主導権は私。
『あっ、はぁっっ…』
膨張しきったそれを一気に飲み込む。私に技術はない。とにかく彼の為。その一心で頭を上下させた。
頬がすぼむ。何もかもを吸い出す、そんな勢いだった。
…じゅぷっ、じゅぼっ、ぐぷっ
『い…いづみ…も、もう…』
彼の手が私の頭に触れる。見計らったかの様に速度を上げた。
…じゅっじゅっじゅっ…
『あっっ、アカンっ!』
彼の腰が引ける。しかし私の腕が先回りしていた。しっかりと押さえ付ける。離したくない…
『うぅっっっっ!』
…どくっ!びゅるるっ!どぷぷっ!
…ブルッ!ブルルッ!
彼のうめき声とともに、口の中で躍動する肉剣。と同時に、大量の苦く甘い蜜が弾け出た。あまりにも多かったそれ。飲み切れずに唇の脇から溢れ出る。すぐさま口を離し、顔に伝うそれを指で集め、舐め取る。
『はぁっ…はぁぁっっ…』
いつもは強気な彼から漏れる荒い息。それがまた私の興奮の火に油を注いだ。
『…よかった?』
『あ…あぁ…』
ビールを口に含む。全てを飲み込み、洗い流す為。そしてもう一口。彼のノドを潤す為。少しぬるくなったそれ。唇を重ね、流し込む。
…ごきゅっ
全て飲み干したのを確認し、次に控えていた物を侵入させる。
…ちゅぷっ、ぬちゅ
舌を絡めながら、彼の手がキャミソールに伸びた。捲り上げて脱がそうとしている。それでも私は唇を離さない。
…くちゅ、ぷちゅ、ぴちゅっ
痺れを切らしたかの様に彼が顔を上げる。離れた唇から、輝く筋が伸びた。
『少しは遠慮せぇ…』
『だってぇ…』
甘えた声が出た。日頃からは考えられない私。どうかしてる。
『脱がしたる。』
そう言ってキャミソールとスカートを脱がす彼。ピンクの上下。最近はいつも勝負下着。いつ見られるシュチュエーションになっても困らない様に。心の中では期待していたから。
『お前、綺麗やなぁ…』
まじまじと見つめながら言う。
『そんな見ないで…』
急に恥ずかしくなる。でも、隠れるとこなんかない。
『尚之も…』
ベルトに手をかける。少し湿ったスラックスがしわくちゃになっていた。