レクチャー-5
激しく息があがるあたしは、しばらく動けなくて、呆然と白い天井を眺めていた。
「羽衣……」
あたしの名前を呼ぶ声に、視線だけを動かせば、広瀬の脚の間のそれは、見事なまでにそそり勃っていた。
あたしの感じる姿に反応してくれたのかと思うと嬉しくなり、そっとそれを握ると、広瀬は眉を寄せて小さく呻いた。
あたしは身体を起こすと、広瀬のそれにゆっくり口を近づけていく。
「……っ」
広瀬もあたしが何をするつもりなのかわかったようで、あたしの頭を軽く撫でた。
少しずつ口の中に入っていく広瀬のシンボル。
鼻先に硬い毛があたってくすぐったい。
広瀬の汗の匂いが少し混ざったそれが、たまらなく愛おしくて、あたしは舌を小刻みに動かしながら、ゆっくり頭を動かし始めた。
あたしはフェラなんて、自分から進んでするタイプじゃなかった。
いつも彼氏に「やって」と言われない限り自分からはしなかったあたしが、自らしたいと思うとは……。
でも、してあげたい。広瀬に気持ちよくなって欲しい。
あたしは、ジュル、と唾液をすする音をわざと立てながら、上目遣いで広瀬の顔を見ると、少し苦しそうに下唇を噛んでいた。
あっ、嫌がってる!?
その顔に、慌ててあたしは口を離した。
「広瀬っ、ごめん!嫌だった?」
あたしがそう言うと、広瀬はあたしの脇の下に手を入れて自分の顔のそばに引き寄せる。
「……違う。イきそうでヤバかったんだ」
「あたしはそのつもりだったんだけど……」
「ダメだよ。口でイかされるよりお前にイれてイキてえんだよ」
またドキッと、胸が締め付けられる。
男は恋愛感情なんてなくてもセックスできるのは知ってるけど、こうしてはっきり求められると、やっぱり嬉しくなる。
「……うん」
「羽衣、俺もう限界。早くイれたい」
「広瀬、早くイれて……」
あたしが広瀬にキスをすると、彼はゆっくりあたしの脚を開かせたまま、枕の下からコンドームを掴んで、口でそれをピリッと破いた。
いつか彼女とそのコンドームを使うんだろうな、そんなことがふと過ったけれど。