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王様じゃんけん
【幼馴染 官能小説】

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伏兵は女王様 <後篇>-2

「はぁ…… 長い一日だったわ…………」
「あはは、ホント…… 俺なんて生きた心地がしなかったよ」

ユイを見送り私もまたすぐ帰ろうとしたものの、
荷物を取りに部屋へと戻るや、ついベッドに腰を落としてはくつろぐ私。

「大体あんたがユイちゃんのパンツなんて覗いてるからいけないのよっ」
「ちょっ! だから見てないって!!!」
「ウソばっかり…… あんな近くにいて見えないわけないじゃない」

そう言うと私はまるで隆に構って欲しいかの如く
幼稚なほどに頬を膨らませてはそっぽを向いた。

「だーかーらっ! ウソじゃないって……」
「ウソよ!ウソばっかり! だって私………… ずっと隆に想い人がいるなんてのも知らなかったもんっ!」

突然、駄々を捏ねるようにそんな事を言い出す私。
実のところユイにその話を聞いてから、ずっと気になっていたのだ。

「え、えぇ? その話はもう……」
「べ、別にさっ 幼なじみだからって何でも話さなきゃいけないわけじゃないけどっ」
「…………う、うん」
「ユイちゃんは知ってる風なのに私だけ知らないなんて………… ずるいよ……」

まるで堰を切ったように抑えていた言葉がどんどん溢れ出る。
知ったからと言ってどうなるわけでも無いのに、
けれど友達のそれを聞き出すのとは訳が違うこの気持ち、
とにかく隆が私に隠し事をするのが、なんだかとても気に入らないのだ。

「いや、別にユイにもその人が誰かなんて…………」
「だって! ユイちゃんどう見ても知ってる風だったじゃない?」
「そ、それはその…… 会話の中で感じ取られたと言うか…………」
「うーっ! 私にはわかんないっ!!!」

すっかり幼児化してしまったように聞き分けのない私。
何をこんなに苛立っているのかと言えば、
ユイの残した言葉『鈍感は罪』が気になってしょうがないのだ。

以前、似たような事を隆にも言われた事がある。
なんだったか忘れたけれど、その時も私は駄々を捏ねながら隆を問い詰めたのに、
結局笑ってばかりで誤魔化されてしまっていたのだ。

「ねぇ、じゃぁさ………… 『王様じゃんけん』しようか?」
「へ?」
「私が勝ったらその子が誰なのか教えてよ?」
「…………俺が勝ったら?」
「え? 隆が勝ったら………… そうね…… ぱ、パンツ見せてあげるってのはどう?」

私にしては名案だったと思ったのだが、
隆はすっかり両肩を落としては大きな溜息をついていた。

「な、何よっ ユイちゃんのパンツは見ておいて私のは見たくもないって…………」
「ちーがーうっ! そうじゃ無いよっ」
「……………………み、見たい?」
「うっ………… いや、だからっ そう言う事じゃなくてっ!!!」

ひょっとして私はかなり間抜けな事を言っているのだろうか?
隆はいっそう大きな溜息をついたかと思うと、
しばらく何かを考えるようにうつむき頭を掻いていた。


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