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王様じゃんけん
【幼馴染 官能小説】

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伏兵は女王様 <後篇>-3

「ねぇ……? ごめん…… なんか私おかしな事言ってる?」

ふと不安げにそう呟く私を、隆がちょっと真剣な目で見つめ返した。

「な、何?」
「夏樹姉ちゃんさ………… ゆ、ユイの言葉………… もう一度よく思い出してみてよ?」
「ゆ、ユイちゃんの………… 言葉?」
「そう…… 俺………… 今でこそ友達もいっぱい出来たけど…………」
「…………昔はいつも虐められて私の背中に隠れてばっかいたよね?」

そうだ、確かに昔の隆はよく虐められていた。
今では考えられないくらい体がちっちゃくて、
いつも泣いてばかりいたから、
大柄で男勝りな私がいつもいじめっ子から守っていたっけ……

「あっ…… じ、じゃぁユイちゃんの言ってた幼い頃からって…………」
「そ、そうっ!」
「その頃に出会った子って事だ!?」
「……………………ね、姉ちゃん」

がっくりと肩を落としては項垂れる隆。
どうやらまたしても私の予想は外れてしまったらしい。

「夏樹姉ちゃんは………… じ、自分の事知らなさすぎるんだよ……」
「…………自分の事?」
「自分がどんだけ綺麗で、どんだけ魅力的なのか……」
「……ちょっ 急に何言い出してんの!?」

突然、そんな事を言い出した隆は、
どこか勢いに任せるように饒舌に喋り始めた。

「姉ちゃんさ、学校で噂になってるの知ってる?」
「えっ? …………噂って?」
「清美学園の有馬夏樹と言えば、成績優秀、容姿端麗、才色兼備の美少女──」
「ちょ…… 何よそれっ そんな噂流れてるの???」
「噂って言うか…… 事実、姉ちゃんの事狙ってるヤツなんていっぱい知ってるよ……」
「そんなの私…… は、初耳なんだけどっ」

確かに学校での私はどこか猫を被っており、
親譲りの恵まれた体つきから、
わずかながら異性からの熱い視線を感じないわけではない。
けれど、別にコレと言って特別モてている気もしないし、
なにより彼氏いない歴=年齢という事実は私が一番よく知っている。

「わざと教えなかったから………… し、知られたくなかったんだよ……」
「……え?」
「俺が教えて…… 姉ちゃんがモてるって自覚しちゃったら……」
「…………な、何よ?」
「ど、どっか行っちゃうかもしれないじゃんか!」


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