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新・ある季節の物語
【SM 官能小説】

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(夏編)-3

「ユリコ、今度はかなり年上の男とつきあっているそうじゃないか…わけのわからない男は、
やめた方がいいぜ…」

「えっ…つきあっている男なんていないわ…」

私は、あわててケイスケの言葉を否定すると、ケイスケはため息をつくようにぎこちない笑み
を浮かべ、いつものブレンドコーヒーを差し出す。

どこかで、見られたのかしら…まあ、いいわ…いずれバレることだし…私も、今回は本気でつ
きあっている…彼となら結婚してもいい…私は心の中で、自分を確かめるように小さく頷いた。


「でも… 最近、ユリコって、きれいになったな… あの頃を思い出すぜ…」

「えっ…、そ、そうかしら…」と、私はケイスケの言葉にどこかに初々しいような気恥ずかし
さを感じる。それにしても、あの頃って、いったいいつのことよ…

でも、そう言ったケイスケの顔に、ちょっぴり寂しそうな翳りが見えたのは気のせいだったろ
うか…。



いつものように後ろ手に縛られた私の乳房の上下には、幾重もの麻縄が妖しく喰い込んでいた。
カガワさんに操られる縄は、下腹部の肉肌を這い、太腿の付け根を裂き、悩ましい陰毛で覆わ
れた秘所の溝の割れ目に沈み込むように私のあそこを喰い緊めあげようとしている。

地下鉄R駅近くの本格的なSMホテルに誘われ、全裸にされた私は、カガワさんの慣れた手つ
きで縛られる。私を縛るときのカガワさんは、真剣そのものだし、それにいつもの優しげな笑
みも絶やさない。

それにしても、「谷 舞子」という女とこのホテルの入り口ですれ違ったときは、ちょっと
ヒヤリとした。顔を見られたかもしれないがお互い様だ。


濡れた海藻のような私の淫毛を、カガワさんは細い指に絡めながら、爪先を秘裂の翳りに沿っ
て這わせる。そして、縄が喰い込み、息づくように濡れた肉縁を優しく指でなぞり、押し広げ
られた淫唇から滲み出た蜜色の汁を、柔らかな唇で吸い上げる。

感じる…不思議なくらい体が感じるのだ。からだが感じるだけでなく、心が自然と溶けていく
ようだった。

縛られた自分のからだの中のM性を感じれば感じるほど、カガワさんを強く意識した。縛った
私のからだを、彼はときに熱く愛撫し、ときには気が遠くなるくらい愛おしく愛撫してくれる。

私はカガワさんに囚われた愉悦にかすかな嗚咽を洩らし、悩ましげに悶える。縛られていると
いうのに、私の心とからだは、ゆるやかに解き放たれ、自分の中から何かが瑞々しく泡立ち始
めていた。




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