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〈聖辱巡礼〉
【鬼畜 官能小説】

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〈聖辱巡礼〉-2

自分の通う学校はおろか、他校の男子までも引き付ける恵まれた容姿は、正にアイドルの名に相応しいものだ。
学校では男子達にチヤホヤされ、私生活でも持て囃される日々。
そんな絶対的地位を手に入れた学校生活の方が、梨沙子には楽しかったし、アイドルの仕事も、モデルの仕事も煩わしいだけになってしまっていた。
それで梨沙子は仕事を辞めたのだ。
しかし、それが却って『俺達だけのアイドル』と持て囃される結果となり、今までに至っていた。
常に特別扱いをされ、チヤホヤされる日々……いつしか女友達は離れていき、男子達に取り囲まれる学園生活に変わり果てていた。



『アイドルって言ってもさ、ロリコンオヤジが買う雑誌とかしか出てないんでしょ?』

『キモいオヤジに水着姿とか見られんのって最悪よね?私は無理だな』

『アイツの昔の写真集さ、古本屋で500円で売ってたわ。ウケるんですけど』


思春期を迎えた女子達は、美少女として持て囃されている梨沙子が目障りで仕方がなかった。
男子達は梨沙子に夢中であるし、それは恋敵としか思えないからだ。
おおっぴらな悪口は、もはや陰口ではなく、直接的に虐げられているに等しかった。
暴力行為は無いにしても、周囲から孤立した寂しさに少しは寂しさを感じてはいた。
だが、肥大した自尊心は少しも揺るぎはしなかった。

思春期真っ盛りの高校生。その思考回路の殆どが恋愛で支配されてしまう年齢。他の女子達があの手この手で告白に勤しむのを横目に、自分だけは黙っているだけで魅力的な男子が寄ってくるのだ。

学力もトップクラス。
しかも恋愛は無敵を誇る。必死に己を磨く女子達などとは違う次元にいる事に、自分の別格さを日々実感していた。

[私は特別な存在……]

そんな思い上がった生活の中で、梨沙子は正人に告白されたのだった。

正人の告白も、梨沙子にはいつもの出来事で、特別嬉しいとも思わなかった。
が、正人は告白するまでにも、梨沙子に対して変に持ち上げる事もなく、普通に接してくれていたし、フラれた後でも、今までと変わらぬ態度で梨沙子に接してくれていた。
それは他の男子生徒とは明らかに違っていたし、普段の真面目で実直な態度にも、梨沙子は徐々に惹かれていった。
背が高いわけでもなく、格好良いわけでもなく、スポーツに秀でているわけでもない正人に、梨沙子は初めて湧き出る感情を持つようになっていた。


『……僕達って……友達なのかな?』


正人の言葉に、梨沙子はドキリとした。


「……ん?友達……かなあ…?」


答えに困る表情をごまかすように、梨沙子は明るく話した。
彼女でも彼氏でもない、微妙な二人の関係。

正人は梨沙子を彼女にしたい。それは分かっている。

だが、梨沙子はまだそこまで正人を想えないでいた。


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