最後の晩餐会-5
違法痴漢おとり捜査で逮捕された人数は約100人。その一人一人に一週間かけて連絡をした武史。全員がまず同じ言葉を口にした。
「ありがとうございました!あなた様のお陰です!」
と。武史の事を神とまで崇めた。そんな男達に話を持ち掛ける武史。
「あなた達を陥れたあの女刑事が憎いだろ?あんなおとり捜査は許されるべき事じゃあない。罪を犯したら罰を受けるのが当然だ。あの女には罰を受けて貰おう。あなたも参加しませんか?怒りをぶつけてやりましょう、あの女に。」
その誘いに全員がのった。全員静香を恨んでいる。少なからずともみんな痴漢願望を持っている男達だ。基本的にいやらしい。逮捕されてからは痴漢した自分が悪いと納得していたが、それが違法捜査と知っては話が別だ。痴漢癖を棚に上げて、すっかり自分の事を被害者だと思いこんでいた。
「基本的に痴漢は痴漢なんだけどな?ハハハ。」
武史は一人、可笑しくなった。
盛大な打ち上げ花火を上げる為、武史はいい場所を見つけた。人里離れた山の中の廃墟の別荘だ。電気も通っていたのにも驚いたが、いい場所だ。たくさんの録画機器を持ち込みセッティングする。
「ちょっと本格的に動画を作ろうかな…。へへへ。レイプAVを凌ぐ実録女刑事レイプ動画!売ったら高く売れそうだな。何しろ素材がいい。下手なAV女優よりも美人だしな。その美人のリアルな悲痛さを余す事なく映し出された映像…。ククク!」
楽しみになってきた。
「過ちを犯した婦警が100人の男達に罪を償う…、たまんね〜!たまには客観的にレイプシーンを見るのもいいよね!」
興奮が収まらない。
「あんな美人な刑事さんが痴漢どもの玩具になるなんてなぁ…。しかし静香ちゃん、一気にヤリマンになっちゃうなぁ。ヤリマン女刑事…、いい響き!」
そんな事を考えていると、自分でもヤリたくなってきた。
「…、取り敢えずは俺が先にヤッてからみんなに回そうかな…。文句ないだろ、俺は奴らの神様だからな!」
殆ど教祖気取りだ。実際のところ、男達に復讐させてやるのは二の次の事であり、結局は自分の欲望を果たせればそれでいいのであった。静香をレイプする為に長い間、静香を見てきた武史はある意味静香に心を奪われていたのかも知れない。初めての女である静香に対する想いは普通とは違う方向を向いているとは言え、強く心に残っている。
そして全ての準備が終わった。いよいよ泳がせておいた静香を狩る日を迎えた。