プライベート・ビアガーデン-6
「ほらやっぱり汗だくになっただろ?」
後片付けを済ませた新谷が、クーラーボックスからビールとカクテルを取り出して戻ってきた。
確かに、私も新谷もクーラーの効いた部屋にいるにもかかわらず汗だくだ。
いきなりの激しいセックスにまだ起き上がることさえままならない私を抱き起こすと、缶を開け、渡してくれた。
声を出しすぎてカラカラになっていた喉を潤すべく、ありがたく受け取る。
「大丈夫か?」
隣に腰掛けて、私の肩に手を回すと、私を自分の胸に寄りかからせる。
「…はい」
「泊まっていくだろ?」
「いいんですか?」
「もちろん。っていうか、帰したくない」
汗ばんだおでこにキスされる。
なんだかくすぐったい。
「まだこの先当分は、オレも新しい環境に慣れなきゃいけないし、結だってアシスタントする側からされる側に変わるんだからバタバタするだろうけどさ。落ち着いたら一緒に暮らさないか?」
「え?」
「あぁ、もうニブチン!」
「だからニブチンはひどいですって」
今度はデコピンされた。
「オレは毎日結と一緒にいたいんだって。来年だけじゃなくて、この先ずっと毎年結と花火見たい。毎晩結と飲みたい。だから結婚してくださいって、素っ裸でプロポーズっていうのもなんだかアレだな」
「…はい」
「ほらまた泣くー」
「泣いてな…あ、泣いてる」
確かにお互い素っ裸のプロポーズってムードも何にもないけれど。
お互い顔を見合わせて笑って、永遠のキスをした。