THANK YOU!!-9
「・・私は・・アナタが・・」
「・・それも悪い。応えられない。俺が好きなのはお前じゃないから。」
心をえぐられる。
想像していた通りではなくても、ここまで拒絶されるとは考えてもみなかった。
涙が、菜美の瞳に溜まり始める。
「だから、このチョコも受け取れない。返せないモノは受け取りたくないから。」
「・・・そっか・・・。」
「・・俺のこと、好きなら・・アイツに謝って欲しい。」
そう告げた拓斗はこれ以上話を聞く気は無いと図書室の中に入っていった。
扉が勢い良く閉まる音を聞きながら、菜美は顔を俯かせ涙を流した。
「・・そんなこと・・できるわけがない・・」
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「・・・・・」
菜美が拓斗に振られたという事実に驚きが隠せない瑞稀は口を開けたまま呆然としていた。一方、秋乃は相変わらず睨みを緩めることをしない。
全てを話した菜美は、もうヤケだと言わんばかりに貯めていたものを吐き出した。
「どうして!?私の方が好きだったのにっ!!何でアナタなのよぉ!!」
「・・べ、別に私は・・」
好かれている訳じゃない。そう告げたかったが、心でそれを拒絶した。
どこかで、そう望んでいるかのように。
「何で・・アナタなんか横からしゃしゃり出てきたくせに!!邪魔しないで!!」
「・・・・っ・・」
秋乃や拓斗を傷つけられ、これ程まで言われた瑞稀にこれ以上耐えるという大人っぽさは無く・・我慢の限界だった。
「あーっ!もう!こっちが聞きたいよ!!何で!?そんなの私が知りたい!!横から?ふざけんなクラス一緒になって喋っただけでしょ!!邪魔!?してるつもりなんかない!!」