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THANK YOU!!
【純愛 恋愛小説】

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THANK YOU!!-4



夕方―。

「・・・・まさかオーブンで焦がすとは思わなかった」
「おかげでこんな時間までかかっちゃったか・・。」

瑞稀のマンションから出た二人は道を歩きながら深いため息をついた。
見事にクッキーを焦がしてしまった二人は大慌てで近くのスーパーに再び材料を買いに行き、作り直していたら、こんな時間になってしまった。
本来ならお昼に終わって待ち合わせに余裕があったはずが、時間を取られ、夕方の遅い時間になってしまい、瑞稀と秋乃は共にマンションを出た。瑞稀は出来立てのクッキーを何枚か入れた小さい袋を握り締めていた。

何の待ち合わせかというと・・

「まあ、待ち合わせ10分前だし・・焼きたてだから丁度いいと思うよ」
「あーあ。こんな美味しいクッキー、鈴乃には勿体無い。というか、自分で取りに来ればいいのに」
「しょーがないよ。剣道なんだから。」
「・・・尚更取りに来いって話だよ」

そう、もうお分かりだと思うが、拓斗との小学校の校門前で待ち合わせ。
待ち合わせ時間は五時。その時間じゃないと隣町で剣道を練習している拓斗がこっちに戻ってこれないのだという。
その約束を取り付けたのは昨日の放課後。
昨日は午前中だけ学校に行き、お別れパーティならぬ卒業パーティだった。
(特にこの話に関係はないが。)

「・・アイツに合わせすぎじゃない?」
「そう?」
「うん。・・・あ」
「・・あ・・」

校門が見えるところまで来たとき、二人は足を止めた。
誰かいたから。勿論、その誰かがどうでも良い奴なら気にしない。
二人にとって、今もっとも会いたくなくて・・でも色々な理由を聞きたい人。

「・・・・菜美・・」


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