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Wanderer
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Wanderer-3

凄まじい音を立て吹っ飛んだ扉があった場所には一人の刀をベルトに差した男が立っていた
「何しやがんだガキ!!」
黒服が天の肩を掴もうと腕を伸ばした瞬間その腕が肩から床に落ちた
「三下がよるんじゃねぇよ」
刀を抜いた様子もない天がつぶやいた
「忘れモンだ」
そう言い娘に写真を握らせる
「テメェ…なめた真似しやがって!!」
いつの間にか十数人に増えた黒服の中の片腕(にされた)男が叫んだ
「殺せ!!」
「ギル、飯の時間だ」
天がそうつぶやきギルの柄をつかんだ
一瞬、刀身が見えたかと思った瞬間黒服が全員肉屋に並ぶコマ肉のようにバラバラになり吹っ飛んだ
「で?味は」
「不味い」
天の問いギルが不機嫌そうにつぶやいた
「さってと…」
真っ赤に染まった部屋で天がサミジナに向かった
するとどこから取り出したのかサミジナの手にはガトリングガンが握られていた
「喰らえぇ!!」
そう叫ぶとガトリングガンを乱射した
弾が切れたのか乱射が終わり舞い上がった土煙も治まってきた
「ったく、格好つけるならつけるで最期までそれを貫けっての。こんなもん持ち出しやがって」
土煙の向こうから呆れと怒りが半分づつ混じった調子の声が聞こえたと同時にガトリングガンがバラバラに『斬れた』
「お前は一体…」
「三下に名乗る名前はねぇ雑魚」
そう言うと抜いたギルを乱暴に鞘に納める
澄んだ金属音が響いた瞬間サミジナの首は胴体から離れた
「こいつ換金できるかな?」
「どうじゃろなぁ〜…下の下の下ぐらいじゃからなぁ」
天の言葉にギルが答える
「ま、試しに持ってってみるか」
そう言い頭をつかみ後ろを向いた
するて音もなくサミジナの体が立ち上がり銃口を真っ直ぐ天に向けた
(ククッ…俺は体が本体の『サイボーグ』なんだよ…死ね!!)
引き金に指をかけた時だった
「あーそういえば」
天が忘れていたように声をだした
「ギル、『喰っていいぞ』」
その瞬間ギルの鞘が巨大な口になった
(ひっ…)
あまりの事にサミジナが固まる
「わしの腹の中で永遠の『死』を味わうがよい」
そう言うとサミジナを一口で噛み砕いた
辺りに骨の砕ける嫌な響かせながら噛み砕き飲み込んだ
「不味い」
ギルが不機嫌そうにつぶやいた

「ん…ここは…?」
目を覚ますと病院のベッドにいた
「あら、目が覚めた?」
見ると優しそうな看護婦さんがいた
「私はたしか…!父さんは!?」
「ここだよ」
すぐ横のベッドから声が聞こえた
「父さん!!」
ベッドに寝ていた父親に抱きついた
「アナタ感謝しなさいよ、笠かぶった茶髪の子が重傷のアナタ達を運んできた上に治療費とかいって大金置いてったんだからね」
そう言われ枕元を見ると分厚い封筒と古びた写真が置いてあった


街からかなり離れた道を一人の男が歩いていた
「何も全部やることはなかったのではないか?」
ギルがつぶやいた
「なーに、あんな三下相手のはした金いらねぇよ」
天が答えた
「それに俺が探してんのは金じゃねーし」
「お主がそう言うなら別に良いがな」
「お、珍しいな、ギルがそんなこというなんて、いつもならもっと説教すんのに」
天が笑いながら言う
「む!!そういえばお主にはまだ言っておらん事があったのだ!!」
「やぶへび……」
ポツリとつぶやき両手で耳を塞いだ
綺麗な夕日が照らす朱色の道を説教をする刀と両手で耳を塞いだ男が歩いていた

第一話終


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