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新・ある季節の物語
【SM 官能小説】

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(春編)-2

…あっー、うっ……

やがて下腹部の襞が溶液であふれると、ドクドクと脈打つような甘美な疼きを感じ始める。
しだいに目の色が変わり始めた男は、じわりじわりとシリンダーを押し続ける。下半身全体が
痺れる被虐感はやっぱ癖になるものだ。


「もう、少しだよ…リサちゃん…我慢するんだね…うん、いいよ…じつにいい顔しているじゃ
ないの…」と言いながら、最後の溶液を流し込んだ男は、満足したように、空になった浣腸器
を私のお尻から引き抜く。


「たっぷり注がせてもらったよ…もう一回分くらい入りそうだ…」と、男はそう言いながら、
ざらりとした掌で私のお尻をいやらしく撫でる。

…これ以上入るわけがないじゃないの…冗談じゃないわ…M嬢への無理な浣腸はおやめくださ
いって…プレイの注意書きをこの男ったら、読まなかったのかしらと、私は口の中で苦々しく
呟いた。


すでにじわじわと重たい波のような排泄感が押し寄せる。私の尻蕾がひくひくと痙攣する。

やがて私のお腹の中は、重い鈍痛をともないながら、腹部の襞を鋭く抉られるよう痛みに犯さ
れていくのだ。なんども浣腸されているというのに、この瞬間の快感は自分にとって本物だと
思う。だから、ずっとM嬢をやめられないのだ…。



日曜日、私は近所の下町の商店街の一角で、タロット占いなんてやっている。
平日は、商事会社で派遣の経理事務員をやっているので、夜の熟女専門SMクラブでのM嬢は、
臨時のアルバイトなのだ。

それにしても、SMクラブのM嬢役もそろそろ限界かな…なんて、ふと思う。いくらM熟女と
もてはやされても、店の中で最年長の歳になると、マジな鞭打ちに、多量の浣腸だ、立ち放尿
だと、逆にハードなプレイをあたりまえみたいに求められるようになり、からだがついていけ
なくなったのだ。


趣味のタロット占いは、高校時代からずっと続けているが、たまたまこの商店街の大売り出し
のイベントで占いをやったら、面白いからぜひ日曜日毎にやってくれなんて、商店街組合のオ
ジサンたちから頼まれて、しかたなくやっている。

自分の運勢なんて、一度もあたったことがないのに、なぜかまわりの人たちには、妙にあたる
ことが多いらしい。でも、二十八歳、三十七歳と、私が自分を占った結婚時期は、ことごとく
外れた。外れたあげく、独身のまま、今年はついに四十歳になってしまった。




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