〈惨華(さんか)〉-11
「痛いぃッ!!こんな…こんな…ッ…!!!
しかめっ面で泣き叫ぶ彩未は、悲鳴を噛み殺すように歯を食いしばり、どうにか股間を閉じようと足掻いていた。
たった三人に掴まれただけで、彩未の身体は自由を失い、オヤジ達の望むままにされていた。
「助けてぇぇ!!ママあぁ!!!」
子供じみた悲鳴をあげる中、僅かに開いた瞳の向こうには好奇に満ちたオヤジ達の瞳が輝き、穴が開くほどのギラギラした眼光で、開け放たれた股間を凝視していた。
恥辱という言葉は知らずとも、頭がおかしくなりそうな恥ずかしさが彩未を襲い、跳ね退けたい衝動にかられる筋肉の躍動を凍りつかせてしまっていた。
「…お願いやめて……やめて……」
普通の体格でしかないオヤジ達の肉体は、彩未には到底敵わない強靭さを備えていた。
まるでビクともしない拘束と、薄笑いで行われる至近距離からの視姦の恥辱は、彩未の声帯を固着させ、悲鳴まで封じた。
抗う事も出来ず、逃走も出来ない。
捕えられ追い詰められたか弱い少女には、自分を守る為には、もう防御しか残されていなかった。
しかし、それは意識の中だけでの事で、実際には諦め同然の無抵抗な姿でしかない。
「やめて…ッ…!!…やめてよ……」
固く目を閉ざしていても、内股や股間に生暖かい吐息が吹き掛かるのを感じる……犬のような荒れた呼吸音が、自身の股間付近から聞こえてくる……なにをされているのか、彩未は理解出来るようになっていた……。
『フフ…さっきはボディーシャンプーのイイ臭いだったのに、もう臭くなってるぞ?』
「〜〜ッ!!!」
幼気な心を傷付ける台詞が放たれると、オヤジ達はクスクスと笑い、そして入れ替わりながら恥肉の香りを嗅いだ。
『ちゃんと中まで洗ってないんですかね?割れ目は適当なんでしょうな』
『これは酷い!オシッコがこびりついているようですよ?』
『たまらん刺激臭ですな。目がシブシブしてきましたよ』
言葉の暴力を浴びせられ、悔しさと哀しさに真っ赤な顔は歪む。
噛み締めていた唇は捲れあがり、食いしばっていた歯が剥き出しになっていった。
眉間にはグシャグシャと皺が刻まれ、焼け熔けた鉄のように赤くなった顔面を汗と涙が流れていく。
羨望の眼差ししか知らぬ美少女に、あまりにも残酷な言葉と肉体的な暴力。
まだ蕾だった彩未には、その外界は残虐の極みだった。