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THANK YOU!!
【純愛 恋愛小説】

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THANK YOU!!-4



「で、受験することになった。と。」

次の日。
どうも朝から表情が浮かばない瑞稀を見た秋乃は、何かあったんだろうと考え、昼休みに誰もいない屋上に瑞稀を連れ出した。
その秋乃の配慮に感謝しながら、瑞稀は昨日の事を説明した。

「うん。受験面倒で・・」
「まあ、面倒っちゃー面倒だけどね」

瑞稀の言葉に肩をすくめた秋乃も、中学受験をすることになっていた。
行き先は都内でも有数の進学校。頭が良い秋乃なので、特に問題は無いと思っている瑞稀は苦笑いした。

「でも、良かったよ。瑞稀が元気ない理由が、鈴乃が休みなコトだったらどうしようもないからね」
「な・・っ、べ、別にそんな事で元気無くさないし!」
「ハイハイ、中岡先生が“今日は鈴乃君がお休みです”って言った瞬間、悲しそうな顔してたのはどこの誰だったっけな?」

うっと言葉に詰まった瑞稀は、赤くなった顔を見られないようにそっぽを向いた。
勿論、それに気付かない秋乃ではない。

今日は、拓斗が風邪を引いて学校を休んでいた。
「珍しいなー」と寂しそうに瑞稀が思っている横で、「あぁ、アイツ馬鹿じゃなかったんだ」と関心した秋乃。勿論、瑞稀に文句を言われたが。

「でも、もし合格したらどうすんの?ウチとは勿論だけど、鈴乃とも離れるよ?」
「・・・うん。まあ、仕方ないよ」
「・・あのさぁ、もうそろそろ告白したら?」
「・・・・告白?なんの?」

意味が分からないと首を傾げた瑞稀を見た秋乃は深くため息をついた。
千晴が言ったとおり、卒業するまで絶対に進展しなさそうだ。
諦めていたつもりだったが、今回の急な出来事でもしかしたら瑞稀の気持ちが揺らぐかもしれないと少し期待したが、無駄に終わった。

「分かんないなら良いよ。とりあえず、瑞稀のことだから算数は大丈夫でしょ?で、国語も・・・本好きなんだから特に問題無さそうだね」
「いや、算数大丈夫って言うけど、図形とかは苦手だし」
「叔父さんに教えて貰えば?」
「ヤダ。お兄ちゃんとこに行くとゲームし出すから受験終わるまで来るなって言われたし」

拗ねた表情で言った瑞稀に、秋乃は苦笑いをした。
事実、本当にそうなるのが簡単に思い浮かべられる。



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