失恋の夜〜乱れた友情〜-4
優介は何も悪くない。勝手に電話をかけて、おまけにやつあたりまでしてしまう自分が情けなかった。どんなにごまかそうとしても、彼から告げられた別れが心に深い傷をつくっているのは事実だった。あんなやつ、どうでもいいのに。そう思おうとすればするほど、頭の中では彼との楽しかった思い出が鮮やかによみがえる。
一緒に出かけたレストラン、クリスマスのデートで見た夜景、花火大会……いっそ嫌いになれたらいいと思うのに、浮かんでくるのは大好きだった彼の笑顔ばかり。忘れなきゃいけない。でも、どうやって忘れたらいいのかがわからない。