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失恋の夜に〜乱れた友情〜
【幼馴染 官能小説】

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失恋の夜〜乱れた友情〜-2

 ベッドにもたれて足を伸ばし、携帯電話を手に取る。

 画面の時計は0:10。失恋の傷は友達とおしゃべりをして忘れるに限る。でもこんな時間に呼び出すわけにはいかない。かといって、このままひとりで部屋にいると寂しくて悲しくておかしくなってしまいそう。こんなとき、もし実家暮らしだったら、妹にでも聞いてもらえたのに。やっぱり「社会人になったんだから、ひとり暮らしする」なんて言うんじゃなかった……

 ひとつのマイナス思考が次のマイナスを運んでくる。終わりの無い連鎖。思い切り頭を左右に振って、考えるのを止める。さっき洗ったばかりの髪から新しいシャンプーの香りがふわりと広がる。このシャンプーだって、彼が好きそうな香りのものをわざわざ選んで買ってきたのに。

 愛美はベッドの上で膝を抱えながら、携帯電話のアドレス帳をなんとなくスクロールしていった。そのうち、ひとりの名前に目がとまる。

青木優介。中学、高校、大学とずっと同じ学校の同級生で、社会人になってからも1カ月に1度か2度は一緒に飲みに行ったりする仲だ。面白くて優しくて、とっても良い子。まわりの女の子たちは彼と一緒にいるところを見かけるたびに「カッコいいじゃない、彼氏?」なんて聞いてくるけど、愛美自身は彼を異性として意識したことはない。仕事のことでも恋愛のことでも、同性に話すような感じでおしゃべりできる、貴重な男友達だ。

 そう、たしか前の彼にふられたときも優介に一番に聞いてもらったんだっけ……でも平日のこんな時間に電話したら迷惑だろうな……

 少し迷って、それでもやっぱり誰かに少しでも今の気持ちを話したくて、通話ボタンを押した。3回目のコール音が鳴り終わる前に、明るい声が聞こえた。


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