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『桃色の旅』〜変態映画館〜
【OL/お姉さん 官能小説】

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『桃色の旅』〜変態映画館〜-8

 次の場面は通学途中の電車の中。

 高校の最寄り駅は、自宅近くの駅から電車で20分程度の場所にあった。午前8時前の車内はいつも学生やOL、サラリーマンでいつも満員。息苦しいほどの混雑の中で、少女は車両の端に追いやられるようにして立っている。後ろからぎゅうぎゅうと押されるものだから、ドアにくっついた胸がつぶれてしまいそうに苦しい。それでも短い時間だから、と少女は黙って我慢している。

 あと5分で駅に着くというところで、スカートの上からお尻を撫でまわす手に気がついた。姿勢を変えられないので、相手の顔を見ることもできない。こんなときは大声を出せばいいって友達は言っていたけど、怖くてそんなの無理……少女が抵抗しないのを知ってか、手は無遠慮にスカートを捲りあげて足の間を割り、下着の隙間から指を入れ始めた。

『やめて……やめてください……』

 かすれた声でようやくそれだけ言えた。でもそれは誰にも聞こえなかったばかりか、痴漢を興奮させる材料にしかならなかった。その指は電車の揺れに紛れて少女の中に入り込み、膣壁を擦りながら奥へ奥へと侵入してくる。2本の指を挿入されたとき、少女は足がふるふると痙攣するのを感じた。

「あっ、あぁ……」

 映像の中の少女と同じように、足の間に何かが潜り込んでくる感覚がそのまま伝わってきた。その敏感な部分をまさぐる指の動きに声が出てしまう。映像が乱れる。体の一番奥がじんじんと痺れてくる。そこで場面が変わった。

 暗転。足の間の感覚は嘘のように消えている。中途半端な満たされない欲求だけが体の中に取り残された。映像はまた少女が電車に乗っているところに切り替わる。

 やがて駅に到着し、少女は背後の男を振り払って逃げるように電車を降りた。学校へ向かう途中、足の間にまだ残る男の指の感覚におかしくなってしまいそうだった。なによりも、あんなことをされてこんなにも『気持ちいい』と感じてしまった自分のことが許せなかった。

 その夜。少女は見えない男の指を妄想しながら、いつものように自分の体を慰める。指を挿入しながら、興奮でぷっくりと膨らんだクリトリスを弄る。

『やっ、やっ……んっ……』

 まるでお漏らしでもしてしてしまったみたいに愛液が溢れだし、布団の上にまで流れ落ちた。初めて、男に体を触られたいと思った。痴漢された日にこんなこと……お母さんにまた叱られる。男の人のことなんて考えちゃいけないのに。少女はまた自分を責めた。


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