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花火
【女性向け 官能小説】

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線香花火-6

クマは抵抗がムダだとわかると大人しくそれを受け入れた。
さっきよりも切なそうな表情や、時々漏れる声から思うに、気持ちいいと感じてくれているらしい。
久しぶりだから、歯を当てないようにとか、見当違いのことをしていたらどうしようという不安がなかったわけではないから、ちょっとホッとした。

「柚季さん…そろそろ…」

クマの手が私の頭を撫でる。

「ん?どした?」

「このままじゃマズイです…」

言い淀んでるクマが可愛い。
もっといじめてみたい、とどこかで思ってしまったけれど、正直私にもそんなに余裕がない。

「挿れる?」

「…いいですか?」

「もちろん。言ったでしょ?クマが欲しいって」

私の言葉にクマは起き上がると、枕のしたから小さな四角い袋を取り出した。
そうか、持ってたのか。
きっと私がシャワーを浴びるあいだか何かに用意してくれたんだろう。
クマがそういうものを持ち歩いているっていうのがちょっと意外だったけれど、なんだか嬉しかった。
私に背を向けるとソレを装着した。
その間に私は水分補給。
セックスってこんなにノドが乾くものだったんだ。
再び緊張してきた気持ちをほぐそうと、そんなバカなことを考える。

「柚季さん…」

クマの声に導かれるように、私はベッドの上に横たわる。
クマが優しく覆いかぶさるようにして、上になる。

「あぁっ」

何度か膜越しに入り口をこすられたと思ったら、少しずつではあるけれど、クマのソレが私の中に入ってきて、私はあられもない声をあげる。
ものすごい、異物感。
でもそれは若干心配していたような痛みとかそういう類のものでなくて。
ソコに自分の指や生理用品以外のものが入ってくることなんてほんとに久しぶりなのに。

…ただ、ただ、気持ちがいい

クマは私を気遣うように、そっとそっと入ってくる。
クマの先端が私の奥深くにたどり着いたとき、優しく抱きしめてくれた。

「全部入った…」

「うん…」

「柚季さんの中、すごい気持ちいい…あ、耳まで真っ赤」

「こらこら、大人をからかうんじゃないわよ、ひゃんっ」

クマのソレが私の中で勝手にはねた。
激しく前後運動したりしてるわけではないのに。
ただただ、じっと私の中にいるだけなのに。

「…動いても、いいですか?」

「うん…でも…手加減してね?」

クマが困ったように笑って、キスをくれた。
唇が離れると、クマが少しずつ動き始める。
久しぶりの感覚に戸惑う私に気遣いながら、時折キスをくれたり、頭や肩を優しく撫でてくれたり。

…愛のあるセックスってこういうことをいうのかな?

全て手放してしまいたくなるような快楽になんとか飲み込まれまいとする頭の中でぼんやりとそんなことを思う。
でもだんだんとそんな無駄な抵抗も虚しくなるくらいにクマの動きに一喜一憂し、はしたない声をあげている自分がいた。

「柚季さんキツいよ、締めすぎ」

私の上でクマが苦笑していても、言い返すこともできないくらいに、ただ、ただ酸素を求めるように喘ぐ。
だんだんクマの動きにも遠慮がなくなっていく。
決して自分だけが快楽を求めている動きではなく、私のカラダがその行為に慣れてきた証拠だと思う。

「あっ、やだっ。クマっ、何かヘンっ」

自分の奥深くに感じたことのない異変を感じて、クマの腕を必死に掴む。

「イキそう?」

そう訊ねてくるクマの表情からも余裕が消えていることになど気づく余裕なんて全くなく。
クマのしつもにも答えることができないまま、私は初めてセックスの最
中に意識を失った。

気がついたらクマに抱かれ、タオルケットを掛けられていた。

「あ、気がついた」

モゾモゾ動いた私の額にクマが優しいキスをくれた。

「ごめん、アタシ…」

「なかなか目を覚まさないから少し心配しました」

どうやらイキながら失神してしまったらしい。
その際の強烈な締め付けにクマが膜越しに果てて私の胎内から出ていったあとも反応はなく
、どうしたものかと思ったけれど後始末だけして一緒に横になっているうちにクマも眠ってしまったという。

「今、何時?」

「もう3時です。オレ一旦家帰りますね」

「帰っちゃうの?」

「ここから一緒に出勤はさすがにマズイですよ」

「確かに。あ、でも私今日は休み」

「あ、ずるい。柚季さん、仕事終わったらまた来てもいいですか?」

私が頷くとクマは満面の笑顔で私にキスをするとベッドから抜け出し帰り支度を始める。
起き上がろうとしたら制されて大人しく横たわったままその様子を眺めた。

「いってらっしゃい」

さすがに玄関までは見送りに立つ。
施錠もしなきゃならないし。

「終わったら連絡します」

靴を履いたクマにキスをねだる。
帰したくないなんてワガママ言えないから。

「お土産は線香花火がいい」

10コも年上の彼女のワガママに満面の笑顔で答えると若い恋人は帰って行った。


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