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カラスの巣(短編小説)
【熟女/人妻 官能小説】

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第3話 黒い誘惑-1

「一緒に寝るって・・・・・・僕とママがですか!?」

「そうよ、それがどうかしたの?、そんなに驚いちゃって・・・・・・。あっ!・・・もしかしてさっきの事本気にしてるの?。あれは本当に冗談だから、気にしなくていいわよ。まさか私が、陽一さんの様なお若い方と本気で寝るとでも思ってたの?」

「いや、僕もそれは・・・。違うんです」

一度は玲子を受け入れようと覚悟を決めただけに、たじろいては意味も無く否定するしかなかった。

「だったら良いじゃない、久しぶりにお母さんと一緒に寝ると思えば・・・・・・。大丈夫よ、私だってそれなりに理性は持ってるつもりよ。だから、陽一さん見たいなお若い方を襲ったりはしないから、安心して隣で寝てれば良いのよ。それに、陽一さんのその格好・・・・・・誰が脱がしたと思ってるの?。今さら恥ずかしがっても遅いわよ・・・・・ふふ」

玲子は、困惑する陽一を尻目に、あどけなく笑いながら話した。

「確かに、それはそうですけど・・・でも・・・・・・」

男女が一晩ベッドを共にする行為に、お互いの真意のズレを、陽一は感じていた。

「でも?・・・・・・『でも?』って、それは陽一さんの方が理性を失いそう・・・・・とか?。だったら・・・もしかして、年増に興味があるのかしら?」

その時、玲子の表情は虚ろ気になり、隣に座る陽一を見つめながら誘うようにスリットをたくし上げて脚を組んだ。
その脚を包む、黒い誘惑がまたもや陽一の視界に入って心を惑わしていた。
目のやり場に困った陽一は、見つめる玲子から視線を外すと、目の前には鏡台があった。
その鏡台には、顔を真っ赤にした陽一と、それとは対照的に余裕の笑みを浮かべる玲子が、皮肉に映っていた。

「あら、ごめんなさい、戯れが過ぎた様ね。」

玲子は、脚を正して姿勢を元に戻して座った。

「でも、陽一さんの様なお若い方でも、少しは私の事を、女として意識してくれてるみたいで嬉しいわ。」

陽一は、玲子の言葉に耳を傾ていても、それに答える事無く沈黙したまま、目の前に写し出される自分の姿を眺めているだけだった。
しばらく室内は静まりかえっていたが、不意に鏡台の上に置かれたある物に気付くと、陽一の表情は目を見開くように驚きの表情で溢れた。
鏡台は、手狭な寝室を有効に利用する為に、ベッドを椅子代わりにして、そのすぐ側に置かれていた。
それ故に、鏡台に置かれているある物が何かは、すぐに気付いた。
玲子は、陽一の異変に気付くと、その視線の先を追った。

「あっ!?・・・ごめんなさい私ったら・・・・・・」

玲子は、陽一の視線の先にある、ある物を慌てるように手に取った。

「こう見えても私も女よ。この歳になっても寂しい時には、誰かに慰めてほしいの・・・・・」

玲子の手にしたある物とは、数枚と綴られたコンドームだった。
玲子はそれを握りしめると、再びベッドに上がった。
そして、陽一の背中越しで横に寝ると、片肘をベッドについて、まるでヌードモデルの様なポーズを取った。
陽一は恥ずかしさのあまり、それを鏡越しに眺めるしかなかった。

「ふふ・・・このベッドの上で、何人もの人と慰め合ったわ。それは、このお店のお客様だったり、昔からの知人、それに恋人、多種多様だったわ。歳に関しても、私の父親とも変わらぬ人から、陽一さんよりもお若い学生さんともあったのよ」

玲子は、鏡越しの陽一を見つめて話していた。

「さっきも言ったけど、私が若い人に興味がある分けでは無いの。その学生さんが自ら、私を求めてきたのよ。それは激しく、私を何度も悦ばしてくれたわ」

玲子は、その当時の行為を思い出すと、たまらずチャイナドレスのスカートを両脚で挟んでいた。
そして、そのスカートを挟む脚は、白いTバックのショーツを伺わせるほど露わだった。
玲子の着るチャイナドレスのスリットは深い為、ショーツが露出しないようにTバックタイプを履いていた。
さらに、そのTバックの上に履く黒いパンティーストッキングも、切り返しが覗かぬようにと、オールスルータイプを履くほどのこだわりようだった。
その玲子のこだわりが、魅惑の黒いカラスを演出させていた。
陽一は思わず、鏡越しのカラスに再びみなぎり出していた。
それは、ボクサーパンツから浮くほどだったが、背中越しの玲子は気づいてなかった。

「今思い出してもたまらないのよ。本当に、あれには満足したわ」

玲子に不快な感触が伝うと、居心地悪そうに両脚をゆっくりとばたつかせていた。
若い学生とは、それだけ濃密なベッドを共にした現れでもあり、その思い出と一緒に玲子の物は溢れ出ていた。
また陽一も語る思い出の中で、玲子が男と肌を交わす姿が脳裏に浮かぶと、みなぎりがはちきれんばかりになっていた。
ただ、そのみなぎりに悦ぶ玲子の相手が自分では無く、他の男である事に対して密かな嫉妬心もこみ上げていた。
特に、自分よりも若い学生を玲子が受け入れていた事に対しては、何度も積み上げてきた歳の差と言うためらいの石を、賽ノ河原の鬼からいとも簡単に崩された気分だった。
それと同時に、玲子に対しての歳の差の足枷が外れた瞬間でもあった。
今の陽一に、迷いは無かった。
このまま何もせずに、玲子と過ごした男達への嫉妬心に駆られるくらいならと、自分もその一人になる事を決意した。
しかし、鏡の向こうの玲子の真意はつかめずに、黒い誘惑で陽一を弄ぶだけだった。

シュルルル・・・・・・

会話の途切れた静かなる室内には、脚が擦れる魅惑の摩擦音だけが、まるで陽一を誘うように背中越しに響いていた。


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