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富子幻舞
【歴史物 官能小説】

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富子幻舞-30

「ァァ・・・何なのかしら、この気持ちは・・・・」


思わず胸に手をあてて大きく息を吐く。
甘い香りを吸いすぎたせいか、身体は心地よいままに重く感じられた。



気づけば鼓の音は止んでいた。


そして先程まで舞っていた筈の“大悪尉”の面が、ペタンと腰を下ろしている富子の眼前にあった。







相手の両手が自分の両肩に添えられている。

富子はぼんやりとしたまま潤んだ瞳で目の前の人物を見つめた。


“大悪尉”の面をしているものの、富子の目の前の人物は彼女と同年代、あるいは年上だということが分かる。

それは仮面では隠せぬ身体の肉付きや両掌の大きさや肌触り、そして全身から漂っている雰囲気からも察せられる。




「・・・・・・・」



「・・・・・・・」



暫しの時間無言のまま見つめあっていた2人だったが、

やがて男の右手がゆっくりと富子の肩から離れ、
彼女の下腹部へと伸びていく。

そしてペタンと腰を下ろし膝を左右に広げるようにして座っている富子の着物の裾の隙間に男の掌が滑り込んだ。




「・・・・ぁあ」



「・・・・・・」




思わず富子は両目を閉じ、小さく声を上げていた。

終始無言の男の掌が富子の白い肌そして茂みに触れたからだ。

男の指が茂みをかき分け、その奥に隠れている“果肉”を探り当てた。







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