私と彼が付き合うことになったきっかけ-4
「ありがとう、麗音」
「どうしたしましてっと…じゃあ真菜、またな」
「うん、またね」
家の前で彼に手を振り、家に入ろうとすると扉の前にスーツを着た二人の人が居た。
一人は男性、一人は女性で顔はそっくりだった。
「…お帰りなさいませ、お嬢様」
「お帰り、真菜」
扉の前に立っていた女性は私に向かって丁寧に頭を下げ、もう一人の男性は「お帰り」と軽い感じで片手を挙げた。
男性は女性に頭を殴られていた。
「…敬語を使いなさいっていつも言ってるじゃないですか、お兄様」
「痛ってぇ…なんだよ瑠奈…殴ることないだろ…ていうか、いいじゃねぇか別に…」
殴られた男性の名前は瑠衣(るい)もう一人の女性は瑠奈(るな)二人とも私の召使である。ちなみに、二人は双子であり、るいのほうが兄なのだが…性格的に、私は逆だと思う。
「アハハ…るな、別に私は気にしてないから…そんな殴らなくてもいいよ」
「…そうですか、貴方がそれでよろしいのなら別にいいですが…
ところで、なぜそんな格好をしてらっしゃるのでしょうか?」
るなが首をかしげながら私の服装を見て尋ねる。私は少し戸惑いながらも、正直に話すことした。
「…大丈夫だったか!?何もされなかったか?」
話した瞬間、るいが慌てて私に聞く。「大丈夫だよ、麗音が助けてくれたもの」と私が答えると、彼はホッとしたような顔をした。
「そうか…よかった」
「とりあえず…破れた服は私が直しておきますね。麗音さんから借りた上着も一応洗っておきます」
「うん、ありがとう」
次の日、私は借りた上着をきれいにたたんで彼に返しておいた。
終わり