鶴女房-9
下の口にあてがわれた肉棒目掛けて、躰を慎重に押し出すと、穂先が彼女の割れ目を貫いた。
「くぅ…はぁ…」
おつるは女の聖域に異物が入り込む感触に戸惑いながらも、熱り立つ肉棒を全て収容すべく、自重に任せて一気に腰を下ろす。
柔らかい肉の詰まった蜜壷が、粘着質な水音を立てながら堅固で焼けるように熱い肉槍の侵入を迎え入れる。中を満たしていた愛液が潤滑油となったお陰で、それほど抵抗無く剛直が性器の中へと収まった。
「んぅうううっ…。はぁはぁ…ついに…与平様と一つに…っ!」
「っ!?」
生まれてこの方、女娘との経験が無かった与平が初めて味わう媚肉の洗礼。
温かい泥濘みが分身を余すこと無く包み込み、膣壁を埋め尽くす無数の襞は、吸血蛭の如く奥へ奥へと取り込まんとばかりに蠕動して吸い付き、肉棒を締め付ける。
おつるに責められ、限界寸前になっていた与平の分身が、その女肉の蕩けるような感触に太刀打ち出来るはずもなく、あっさりと彼女の中で達してしまった。
「ぐぅう、でっ……あああああ!!」
「…え? きゃあ!?」
与平は、彼女の中に直接精を放つ事を恐れ、限界が来たことを伝えたかったのだが、喋る言葉も言葉と為らず、既に手遅れであった。
塞き止められ淀み滞っていた欲望の奔流は、忍耐の堰が瓦解したことにより、怒濤の勢いで肉洞に解放される。
与平が今まで味わったことの無いほどの、分身から弾けるように煩悩が解き放たれる凄まじい開放感は、中出しの躊躇さえも吹き飛ばし、頭の中を快楽の色に染め上げる。
彼女の膣に深く挿入された男根は大きく律動し、その最奥部に白い粘液を吐き出し続けた。
「あああ…っ! 与平様の…赤子の…素がぁ……いっぱい…わたくしの…なかにぃ…」
おつるは、彼と結合したまま恍惚とした表情で目端に涙を浮かべる。
止めどなく溢れ、子宮を満たす熱が、愛する雄が自らに精を授けているという紛れも無い事実を知らしめ、彼女の肢体は悦びに悶えた。
「与平様ったら……。わたくしと繋がった途端に出してしまわれるなんて……んふふ…」
「すまねぇ…俺…つい、おつるさんの中に…」
「謝ることはありませんわ。むしろ…、もっと下さい……。与平様ので、わたくしの中をもっと満たして下さい…!」
すると、暴発した後も勢いの衰えぬ肉棒を下の口に咥え込んだまま、与平の胸に両手を付き、腰を上下させる。
しかしながら、心なしかおつるの動作にぎこちなさが見受ける。
与平はふと見やると、おつると繋がった箇所の隙間から漏れ出た精液に混じった鮮血色を確認した。
「こ、これ…まさか…」
「…心配はぁ…無用、です、よ…。この身を初めて、貫かれる、痛みよりも…今、与平様と…くあぁ…交わっていることの…喜びの方が…勝っているのです…からぁ」
おつるもまた雄との経験は無く、性交には激痛が伴っていたはずであったが、内に燻る性衝動が彼女を突き動かし、刺すような鋭い痛みを顧みることなく身を躍らせた。
「はっ…ぅ…くぅ…んぅ…」
腰を引いて秘所から分身を引き抜き、樹幹が露出し傘の手前を折り返し地点に下半身を押し出すと、剛直は蜜壷の中に打ち込まれ、再び熱を持った肉沼へとずぷずぷと埋まってゆく。
何往復、何十往復と一連の抽送を繰り返していくうち、段々と痛みが快感へ変換されていったのか、少しずつ彼女の抽送にぎこちなさが無くなり、腰の動きが円滑になっていった。
最初こそは顔に苦痛の歪みが僅かに表出していたのだが、動作が流暢になるにしたがって苦悶の表情が次第に甘く蕩けてゆく。
「ふぅ……くぅう…あん…んくぅ」
粘着質な水音を辺りに響かせながら、分身から伝わる、蕩けるように熱く柔らかい蜜壷を往復する甘美な味わい。己の上で献身的に体を動かす白い素肌の美しい彼女。豊かな膨らみは上下の動きに連動して揺れ、肉棒が深く挿入され奥を突かれる度に快感に喘ぐ。その献身さと妖艶さが狂おしいほどに愛おしく、与平の心と身体を虜にする。
肉体経由の快楽の伝搬と扇情的な光景による視覚の刺激は与平の思考回路を焼き切り、やがて人間としての理性を融解させ、彼の中で眠っていた獣を目覚めさせる。
理性の殻を食い破り、這い出したその者は彼の本能に直接語りかける。雌を貪れ。と