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〈不治の病〉
【鬼畜 官能小説】

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〈不治の病・其の三〉-15

「こ…これ以上酷い事したら黙ってないからね!!私、泣き寝入りなんてしないんだから!!」


ブルブルと震える唇で、どうにか平静を装いながら、絵莉は多勢に対して見栄を張ってみせた。

蜘蛛の糸の如く絡み付く麻縄、それに抗える手段など無いのは分かりきっている。
いくら叫んだところで夫の救助が叶うとも思えない。ならば絵莉がとれる手段は、法の裁きに訴える事だけだった。
自分の身体から得られる快楽と収入の先には、己の人生の破滅しか無いのだと訴える事しかなかった。
文字通り手も足も出ない状況では、言葉での口撃しかなかった。
この男達にも太刀打ち出来ぬ正義の法律でも持ち出さねば、我が身は守れないと絵莉は思った。
それしか絵莉には思いつかなかったのだ……。


『毎晩どんなHをしてるのかなあ?』

「さ、触るな!!私は他の女とは違うからね!!絶対許さないから!!!」

『じゃあ「許して」って言うまで気持ち良くしてあげるね?』


部屋の隅に放置されていた黒いバッグの中から、オヤジは透き通る筒状の物を取り出し、それを絵莉の目の前にゆっくりと差し出した……ギョッとした瞳はその物体を凝視し、そして明らかに狼狽えた視線をオヤジへと向けた……それが何なのか、絵莉は知っていたようだ……。


『……奥さんが糞を漏らすトコを見たいなあ……』

「!!!!」


オヤジの蕩けた視線は絵莉の視線を押し返し、強気を気取った言葉を嘲笑うように消し去りにかかった。
その懸命に凛々しさを保とうとしている顔にノズルを向け、ピストンを押し込むと、蛇の威嚇の呼吸音のようなシューシューとした音を発しながら、その勝ち気な顔に吐息を吐きかけた。


「な、何よ……変な事したらただじゃ済まないわよ!!!」


身の程を弁えぬ生意気な顔に“息”を吹きかけると、その顔は怯えの色を浮き立たせながら逸らし、伏せ目がちなままで睨んできた。オヤジは嬉しそうに笑みを浮かべて絵莉の顔を覗き込むと、縄で網目に仕切られた胸元や太股、そして、なだらかな脇腹や腹部にまで吐息を吐きかけた。


「し…しつこいわね!!私がおとなしくしてるうちに止めた方が身のためよ!!!」


その荒ぶる女体は吐息がかかる度に身体を捩り、その擽るような感覚から身を退けようとしていた。
口から吐き出る言葉と態度の違いはどう見ても大きく、相変わらずの身の程知らずの振る舞いを繰り返している。
オヤジの笑みは他の男達にも伝染し、カメラを構える男までも笑いはじめていた。
簡単に服従する牝などつまらない……狩って無理矢理に慰み者にしたいオヤジ達からすれば、絵莉の口先だけの反撃は心地好い刺激でしかない。
絵莉の精一杯の足掻きは、オヤジ達を興奮状態にさせるスパイスでしかなかったし、それに気がつく様子もない……。



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