sex days-6
「ただいま〜!」
夜20時、母の香織が帰ってきた。
「ママお帰り!」
いつも友美が出迎える。隼人は出迎えた事はない。そのかわり帰っていた香織にいつも感謝の気持ちを抱かせる。食事のいい匂いがするからだ。
台所に入った香織。
「いつもごめんね、隼人。」
「平気平気!」
夕食をいつも作ってくれる隼人に感謝の気持ちを忘れた事はない。
「友美も手伝ったの〜?」
「わ、私は…」
「だよね〜。どうせテレビでも見てたんでしょ?」
「…、あ、明日は手伝うもん。」
「友美、おまえ毎日そう言ってるじゃん。」
「そうだっけ?」
ニコニコ笑う友美。正直友美は料理が好きではなかった。
「友美はママの血を継いでるわね!隼人はパパの血を継いでるね。パパもお料理作るの大好きだったからね。」
そう言って香織は何となく思った。
(もしかして隼人は友美の兄としてだけじゃなくて父親の役割も果たそうとしてくれてるのかな…。)
この家の父親としての役割をもこなそうとしているように思えた。
「隼人〜!」
訳もなく背後から隼人を抱きしめる香織。
「な、なんだよいきなり…!?」
照れくさそうな隼人。
「…」
それを見た友美は、なぜだか分からないが胸がモヤモヤしてしまった。それは間違いなく嫉妬だった。
(や、やだ…ママに嫉妬しちゃった!?)
なぜ嫉妬したのか自分でも説明できなかった。