深まりゆく関係-6
「もう・・・トオル、遊びはいいわ・・・欲しいの・・・」
「だめだよ、今夜はまだ許さない」
クリトリスをくるくると撫でられる。体が震え始める。乳房を揉まれながらまた耳元で意地の悪い声がする。
「ほら、みんなみてるよ・・・僕にこんなことされて悦んでいるいやらしい女がいるって・・・お尻も胸も・・・こんなにびんびんになった乳首だって見られちゃってるよ?どうする?」
「あっ・・・や、やだ・・・だめ・・・」
再び頭の中に電車内の風景が広がる。サラリーマンたちの好奇の目に晒される自分の姿。みんな見て見ぬふりをする。誰も助けてはくれない。
デートに向かう途中・・・少女はこんなときに恋人の顔を思い浮かべるのだろうか。ふと思いついた名前を口にする。
「斎藤くん・・・」
トオルの動きが止まる。エリナを押し倒し、足を大きく開かせてその中にそっと舌を挿入する。
「あ・・・ねえ、こんなの・・・痴漢じゃないじゃない」
「そんなに斎藤と寝たい?僕は知ってるよ、エリナの弱いところ。親父からさんざん聞いたから。ここを何時間も舐めてやると、何回でもいっちゃうんだってね」
「トオル・・・?」
「僕のこと、忘れられなくしてあげるよ。朝まで舐めてやる」
「いや・・・死んじゃうわ・・・んっ、あぁっ・・・」
トオルの舌が深くエリナの奥までぬるぬると入ってくる。叫び声をあげてしまう。そんなものは気にもならない様子で、膣壁を探るように深く舐め、また襞をなぞるように舌を動かす。何度も絶頂にのぼりつめながら、あの古本屋の二階で店主にされたやり方によく似ている、とエリナは思った。
どれくらいの時間が過ぎたのかわからない。もうシーツがエリナの中から染み出た体液でぐっしょりと濡れ、快感の波に翻弄され続けた後、やっと求めていたものが与えられた。
それは決して性急な動きをせず、少しずつエリナの中に押し入ってくる。自然に腰が揺れる。トオルが表情を歪める。
「あぁ・・・エリナのなかってどうしてこんなに気持ちいいんだろう、僕、絶対に斎藤になんか負けたくないよ・・・」
びりびりするような気持ちの良さが駆け抜ける。男からの嫉妬はセックスの良いスパイスになるのかもしれない。そんなふうに思いながら、エリナはトオルを受け入れる。一番奥まで突き上げられながら、トオルを煽るようにその瞳を強く見つめた。
「わたし・・・斎藤くんと・・・最高に気持ちいいセックスをしてみせるわ・・・」
「またそんなこと・・・黙ってろ、もう」
トオルがエリナの唇に噛みつく。痛い、と言うと今度はキスの雨が降ってきた。舌を絡めながら、今度は激しく腰を打ちつけてくる。ふたりの間にある粘液が飛び散るような勢い、それもまたエリナを悦ばせた。