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真夜中の淫謀
【レイプ 官能小説】

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深まりゆく関係-7

 その夜、トオルはエリナをしっかりと抱き締めたまま、眠るときも決して離そうとはしなかった。きっと、この男にもすぐに飽きてしまうんだわ。そう思いながらも、エリナは男の胸に体をあずけて眠るひとときの心地よさに酔いしれていた。

 朝日の眩しさに目を覚ますと、トオルはもう消えていた。いつも早朝から仕事があるらしく、朝は慌ただしく帰って行く。携帯電話の小さなランプが点滅しているのに気付いた。

メールが二通。ひとつはトオルから。『楽しい夜だった、また連絡する。イベントの日はマミとみずき、それに大塚には気をつけて』とあった。この三人がエリナに意地悪をしようと計画しているらしいのは前々からトオルに聞いていた。マミはトオルに何でもべらべらとしゃべるらしい。

 もう一通、岡田からは『おはよう。起きたら連絡をくれるかな』とだけ。時計を見る。出勤時間までにはまだ間がある。ベッドに寝ころんだまま岡田の番号を探す。

N県のレースは今週の日曜日に開催される。斎藤たちは準備と練習を兼ねて土曜日の早朝から現地に向かうらしい。エリナは仕事の都合があるから、と現地の宿泊場所に土曜の夕方直接向かうと斎藤に伝えた。斎藤はひどく残念そうだったが、野外で長時間ひっぱりまわされるのは苦痛以外の何物でもない。夕方になるまでは岡田の別荘で時間を潰すつもりでいた。

 2コールで岡田が出た。いつもの落ちついた声が流れてくる。

『おはよう、エリナ。土曜日の件だけど、僕の方は都合をつけたよ』

「ありがとう・・・なんだか、まだ眠いわ・・・」

『あっはっは、遊び過ぎたのかな?日曜のレースなんだけど、僕も見学に行ってみたいなあ。その、エリナの恋人の斎藤くんだったか。その男を一度見てみたい』

「そう?別にかまわないわ」

 岡田には斎藤のことを話していた。どんなデートをするのか。どんなふうにエリナに接するのか。斎藤の話を聞くたびに、岡田はいつも楽しそうに笑った。

『本当にいまどき珍しいくらい純な男を捕まえたね。いやあ、面白い』

「でも、ときどき不安になるわ。あんな子供みたいな男とのセックスが最高に気持ちいいなんて信じられない」

『きっと素敵だと思うよ。特にそんな子が相手なら、余計に。エリナは体の快楽を求めて抱き合いたいと思うことが多いだろう?』

「それ以外に何があるの?」

『うーん、僕にもうまく説明できないけれど、そうだな、相手のことが心から欲しいと思う・・・まあ、そういう感じか。いずれ遠くない未来に経験することになるよ』

「そんなに待てるかしら」

『熟成させた方が美味しいものもあるんだよ。そのときが来たら、僕はエリナに捨てられてしまうかもしれないな』

 心にもないことを言って笑って見せる、岡田のこういう鷹揚なところもエリナは気に入っていた。火傷するような情熱も無い代わりに、面倒な嫉妬も束縛も無い。大人の男は一緒にいて疲れないのが良い。


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