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偽りのデッサン
【熟女/人妻 官能小説】

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第34話 最後の至福-2

「はあ・・・はあ・・・睦美さん・・・そろそろお互いを感じましょう・・・・・。」

「ええ・・・一緒に・・・一緒に迎えましょう・・・・・。」

慶は一度抜くと、その言葉を理解していた睦美は、仰向けになって待ち構えた。
そして再び沈めると、最後となる特別な想いで、慶は、一つ一つを刻んだ。

「あっ!・・あっ!・・あっ!・・・慶の良いわ・・・凄く良いわ!・・・・・。お願い・・・今日はいっぱい慶を感じさせて・・・あっ!・・あっ!・・あっ!・・・。」

その気持ちは睦美も同じで、往復する慶の物を、自分の思い出に記憶するかのように堪能していた。
その刻む度に訪れる快楽の中で、目の前の室内の風景が、徐々にと光に包まれていくのを、慶は感じていた。
やがて、全てが包まれると、二人は、光の中で戯れてるような光景だった。
その光の中で乱れる睦美の背中越しには、バラの花が一輪一輪と咲き始めていた。

「はあ・・・はあ・・・こ・・・ここは!?・・・・・。」

そして、あたりがバラに囲まれると、そこは小さい頃に母親と行った、バラ園の風景に変わった。

『お母さんの、おまじない知りたい?・・・・・。』

「母さん!?・・・・・。」

慶が、声が聞こえる方に顔を見上げると、遠くの方に女性らしき姿が立っていた。

『ふふ・・・それじゃあ教えてあげる・・・・・。絵はね・・・一つの線じゃ、正確に描けないの・・・・・。何本も描いて、その中から正しい線を選ぶの・・・・・。その正しい線を見抜ける力があれば、素晴らしい絵が描けるわ・・・・・。』

「母さんなの!?・・・母さん何だね!?・・・・・。僕・・・あれからいっぱい練習したんだよ!・・・母さんみたいに上手く描けるようにって、いっぱい練習したんだよ!・・・・・。」

「あっ・・あっ・・・はあ・・・はあ・・・慶・・・慶?・・・慶!?・・・・・。」

睦美は、何が起きたのか理解出来てなかった。
変わらぬ室内の風景で、母親を連呼しながら、目に見えない何者かと話す、慶の姿しか映って無かった。
それでも止まぬ慶の腰つきに、睦美はただ快楽に身を委ねてるしかなかった。

『あなたも歳を重ねれば、色々な事に悩むと思う・・・・・。その中から、いくつもの選択肢をあげては、一つの答えを探してね・・・・・・。その選択さえ正しければ、きっと幸せに辿り着けるはず・・・・・・。』

「そう!・・・僕はやっと辿り着いたんだよ!・・・・・。僕の絵を理解してくれる人に出会ったんだ!・・・・・。僕は今・・・その人と会う事を約束したんだ・・・・・。その人と会えばかならず・・・母さんの言う幸せに辿り着けると思うんだ!・・・・・。」

その母親らしき女性は、聞き覚えのある会話を続けながら、徐々にと慶の方に歩み寄ってきた。
慶はその女性に対して、返される事の無い一方的な会話をしていた。

『綺麗なバラね・・・・・。バラの花言葉にはね・・・幸福があるのよ・・・・・・。あなたもね・・・このバラに囲まれるように、幾千者の人と関わり、自分だけの幸せを見付けて欲しいの・・・・・・。』

「うん・・・見付けたよ・・・・・。初めて・・・愛してる人を見付けたんだ・・・・・。この人と一緒なら、幸せになれるって人を・・・・・・。でも・・・でも今日で、この人とは・・・・・。」

『慶・・・あなたなら、きっと上手く行くわ・・・・・。』

「えっ!?・・・あれ!?・・・母さん・・・・母さん!・・・・・。」

その歩み寄ってきた女性は、ハッキリとした姿を見せぬまま、最後の言葉を残して突如と慶の目の前から消えた。

「母さん何だろ!?・・・どこ行ったんだよ母さん!・・・母さん!・・・・・。」

慶は辺りを見回すが、そこには誰も見当たらず、バラ園の風景だけが残っていた。
そして、改めて自分の腰つきで乱れてる睦美に視線を戻すと、髪を乱して横を向きながら表情は分からなかった。
その表情を伺おうと、髪を掻き分けた時だった・・・・・。

『・・・・・慶・・・会いたかった・・・・・』

・・・・・!?・・・・・

「だ・・誰なの!?・・・・・。」

『・・・・・慶!・・・・・会いたかった!・・・・・。』

「そ・・そんな・・・嘘だろ!?・・・・・。」

『・・・・・会いたかったのよ・・・母さん会いたかったのよ!・・・はあ・・・はあ・・・・・。』


目の前で乱れていたのは・・・・・死んだはずの母親・・・・・若かりし頃の陽子だった・・・・・。


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