第2章〜第3章-22
梶谷は、奈美のアリス風ワンピースの前ボタンに指を掛けてきた。上から外し始めた。奈美は目を閉じてじっとしていた。
(抵抗すれば、梶谷に会えなくなるかも…。おっぱいだけなら許してもいい)
そう決意した。からだは震えていた。
ワンピースのボタンは三つ外された。梶谷の指は服の中に入って、奈美の背中にまわった。
「いやっ」
反射的に身を硬くしたが、ブラジャーの背中部分にあるホックはパチッと解かれた。
乳房にじかに触れられた。梶谷はギュッと奈美の乳房を握ってきた。
「すごく柔らかい。なめらかで白い肌だ。おっぱい大きいね」
「ああ、あン、ぁっ」
乳房を揉みしだかれ、ときおり三つの指で乳首をひねられた。
(気持ちいい。すごくいい)
いくつもの布を通しての愛撫とは、生じる感覚が違う。心地よさが鮮明なのだ。自慰のときの自分の手とも、はっきり違った。こうして愛撫される状況を、いくたびとなく夢見ていた。想像の世界での感覚は、ぼんやりしていた。実際の感覚は想像を超えたものだった。
愛されている乳房に呼応して、処女宮が熱くなっているのを感じていた。
(ここも愛撫されたがっているわ。この人もそれを望んでいるにちがいない。わたし、どうなるかわからない)
左右の乳房を手で愛撫されたあと、梶谷は、右の乳房にくちびるを押しつけてきた。手とは違った感覚が生じて、乳首をくちびるに挟まれたとき、奈美は「うっ」と低く呻いた。刺激を受けたのは乳首なのに、腿のつけ根に痙攣が走った。深夜、自らの指でそっと愛撫する花の芽は、鋭い感覚をよぎらせていた。
胸は熱く濡れている部分と一体になり、頭の中は桃色の霞がかかったみたいにぼんやりとなった。奈美は陶酔の世界をただよいはじめた。
(男の人にされたら、こんなにも気持ちよいものなんだ)