ツキのしずく-3
意識が戻った。まず最初に感じたのは、森の匂いがしなかった事。
次に、まぶしさだ。これは強烈で、つぶってる目でも感じるほどのまぶしさだった。
たまらず目を開けると、ドラ?エの天空城みたいな部屋の中にいた。
眠りから覚めた時みたいな、ぼんやりする目をこする。だんだんと目が慣れてくると、
人がいる事が分かった。どうやら2人の男女の様で、2人はこちらを見ている様子だった。
[目が覚めたましたか?人の子よ] ヒゲづらの男が口を開く。
[ごめんね〜 死んじゃったの?] 髪の長い女はそう言って微笑んだ。
2人は、ビッ?リマンシールのヘッドみたいな服装をしてた。キラキラがあればシールと間違えるほどだ。
「ここはどこなんですか?」僕は、予想してる答えのくるであろう質問をしてみた。
[天国よ] 髪の長い女が答える。う、うぅ。ぼくみたいな嘘吐きでも天国に来る事ができたとは・・
ついてるのだろうか?? 僕は天国という景色に目を見張る。上の方は雲に隠れて見えないが、
下の方の建物では、僕みたいに死者?となった人達が、なんかの行列を作っていた。
・・・うまいラーメン屋でもあるのだろうか。
[あちらに見えるのは、2国審査を行う場所です 下界では、天国と地獄と呼んでましたよね]
ヒゲづらの男は、観光案内に似た口調で解説した。僕の考えてる事が読めるのだろう。
並ぶ死者達は、これからインフルエンザの予防注射をされる子供達に似てた。緊張感を持つのだろう。
中には震えたり、泣いたりしている人達も見えた。すべてが不思議な光景だった。