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偽りのデッサン
【熟女/人妻 官能小説】

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第23話 裸婦画-2

睦美と会えない日は、ほぼ毎日のように何度も繰り返していた。
その回数は、日を追うごとに増えていた。
あの日に、睦美に身体で宥められた後からは、尚更だった。

『愛しき人が・・・みなぎりを手で誘っては、口で嗜み・・・・・自ら上になって受け入れては、激しく乱れる腰つき・・・・・お互いの寂しさを肌で分かち合いながら迎える絶頂の瞬間・・・・・何度も・・・・・枯れ果てるまで愛を感じながら繰り返して・・・・・』

睦美が尽くせば尽くすほど、嫉妬心となって慶に跳ね返ってくるのだ。

『愛しき人が、同じように尽くして他の異性と迎える至福の時・・・・・』

毎晩、同じような事を妄想していた。
その度に、卑しくもみなぎりだし、過ちも繰り返していた。

『政俊と口づけを交わす睦美・・・・・政俊の物を口に含む睦美・・・・・政俊の中で乱れる睦美・・・・・政俊と一緒に至福を迎える睦美・・・・・政俊と・・・政俊と・・・政俊と・・・・・』

・・・・・あっ・・・あっ・・・あっ・・・・・

同じ頃、皮肉にも睦美は四つん這いになり、後ろから政俊を受け入れていた。
慶の事を思うと心が痛むのだが、身体が思わず反応していた。
政俊の腰つきが激しくなるほど、睦美も激しく乱れた。
そう、政俊が淡泊になったのも、睦美にも原因があったのだ。
お互いの関係が冷めて来ると同時に、政俊への反応も鈍っていた。
しかし、慶と肌を交わした頃から悦びが目覚ると、それが政俊にも伝わっていたのだ。
その悦ぶ睦美を前に、政俊も誘われるかのように、久々に体位を変えては快楽を嗜んでいた。
慶とは違う、熟練の腰つきで時間を掛けてはゆっくりと・・・・・。
その腰つきに、満足げな表情を浮かべる睦美に、やがて終演のコールが鳴ろうと今は思う余地も無かった。

「あ・・・あなた・・・もっと・・・もっと奥まで・・・はあ・・・はあ・・・はあ・・・・・。」

はあ・・・はあ・・・・・

慶は、ベッドの上で仰向けになり、息を切らしながら天井を見上げていた。
局部は露出してティッシュペーパーで包まれ、その回りは同じく、丸められたティッシュペーパーが散乱していた。
そして、慶の目からは涙が溢れ頬を伝っていた。
自分の愛しき人が他の異性から抱かれる事を想像しながら、果てる事に情けなく思っていたのだ。
何度繰り返しても治まらないみなぎり・・・嫉妬心に、精神的に崩壊していた。
睦美に対して、愛しく思う気持ちから生まれる嫉妬心・・・身体だけでなく、全てを手に入れたかった。
それを思うと突然起き上がり、身だしなみを整えてパソコンへと向かった。
そして、例の趣味クラブのサイトに繋ぐと、仁村のメールに目を通した。
その表情は、どこか不安げでありながらも自信に満ち溢れていた。
これから愛する者と一緒に向かう、道しるべを探るべく、一人の若者の夢が歩き出した。

睦美はベッドの上で、政俊の腕枕で仰向けになっていた。
行為が終わった後に、余韻に浸るのは久々の事だった。
それだけ、お互いが満足な時間を過ごした証でもあった。
しかし、静けな雰囲気に政俊が口を割ると、空気は一変した。

「なあ・・・睦美・・・・・。」

政俊に、名前で呼ばれるのは久々だった。
睦美は、それがただよらぬ事を察して、身構えるように目を見開いた。

「お前・・・誰か居るのか?・・・・・。」

その言葉を聞いた瞬間、体全体から血の気が引くような失望感が、睦美を襲った。
この短い言葉にも、意味はすぐに理解できた。
決して、確信的な証拠は無くとも、長い年付きに渡り身体を重ねれば、他ならぬ男の面影も政俊には見えていた。
睦美は、何も言葉を発する事は出来なかった。
これ以上、良い分けしても無駄なのは分かっていた。
ただ天井を見上げては、目を見開いてるしかなかった。

「分かってるだろうな?・・・このままだと・・・・・。」

政俊は、警告とも受け止められる言葉を残すと、背を向けて眠りに入った。
その瞬間、睦美の瞳には、溢れんばかりの涙が滲んだ。
もう終わらせるしかなかった。
これ以上続けても、乗り越える事の出来ない壁なのは、薄々気づいていた。
例え政俊を離れ慶の元に向かっても、最後に辿り着くのは・・・・・親子ほど離れた年齢・・・・・。
この言葉の意味するとおりに、回りの偏見に耐えるほどの確信は、睦美には無かった。
今は心あらずとも、政俊と一緒に築いてきた、人並みの幸せ・・・・・。
それを捨てて、路頭に迷うぐらいなら、全てを終わらせるしかなかった。
非情かもしれないが、今後のお互いの歩みを考えると妥当だった。
それでも睦美は、慶に対する想いを断ち切る事は出来なかった。
せめて最後・・・最後だけでも慶を感じたかった。

『何度も絡む口づけ・・・・・肌を交わす温もり・・・・・向か入れる瞬間・・・・・一緒に向かえる至福の時・・・・・』

睦美の涙は頬を伝い、今まで重ねてきた慶との事を思い出しながら、虚しく自分の物をまさぐっていた。
その行為の中で、最後の偽りの線を描こうと決心していたのだ。

はあ・・・はあ・・・慶・・・はあ・・・はあ・・・慶・・・はあ・・・はあ・・・もっと慶が欲しいの・・・慶を感じていたいの・・・・・慶・・・慶・・・け・・・・・い・・・・・


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