ドヨウビ-5
「えっと……ショウ君は、おばさんの裸、見たいの?」
「……だって、僕も裸、見られたし」
「ショウ君は、女の人の裸、見たことないの?」
「お母さんのはあるけど……おばさんとは全然違います」
「へぇ……どう違うの?」
「おばさんは、ずっと綺麗だし」
お世辞かもしれないが、それでも悪い気はしなかった。
しかし、危険な深みにはまっていっている気がする。
うまいことを言ってどうにか断ろうと思っていたが、どう言えばいいのか分からない。
下手なことを言うと、また彼を傷つけてしまいかねなかった。
それに、目の前にいる純粋な少年に裸を見せつけたい気分も多少出てきていた。
わたしはどこか歪んでいるのだろうか。それが、姉との違いなのか。
「わたしの裸、どうしても、見たい?」
ショウはコクリと頷いた。まだ12歳でも、男は男なのだろうか。
先程の消沈した様子とはうって代わり、期待に目を輝かせている。
「じゃあ、条件があるわ。この事は、絶対に誰にも言わないこと。わたしと、ショウ君だけの秘密よ。守れる?」
「はい……誰にも言いません」
「本当に? 守らなかったら、ショウ君に脅されたってお母さんに言うわよ?」
「絶対に、言わないったら」
「じゃあもうひとつ、わたしの事は名前で呼んで。おばさんだと、何か年取ったような気になっちゃうから。いい?」
「はい……サオリ、さん、でいいですか?」
「フフ、そうね。じゃあ、寝室にいこっか?」
ショウは、はいと良い返事をして立ち上がった。
興奮と幼い性欲で、すっかり元気になっている。
わたしの裸一つでここまでコロッと気分を変えてくれるのだから、わたしまで少し乗り気になってしまっている。
純粋な少年を手玉にとって遊ぶという禁忌に、わたしは少しづつ近づいていた。