満淫電車-2
まわりの乗客がまるで壁のようになり、もう車窓をみることすらかなわない。前に立つサラリーマンのスーツの襟を見ながら、ただじっと時が過ぎるのを待った。
カーブが多いのか車両が古いのか、電車はガタガタと揺れながら進んでいく。あまりの不快感に気分が悪くなる。うつむいてため息をついたとき、それは起こった。
お尻をぐっと鷲掴みにされる感覚。その手は少しずつスカートを捲り上げ、太ももの間を撫で始めた。もう体をずらす隙間さえもない。怖くて声が出ない。しばらく足を撫でまわされた後、今度は後ろから体を抱きすくめられ、ひとつずつシャツのボタンを外された。
またお尻のあたりに硬いものが擦りつけられる。前のひとも、隣の人も、何も気付いていない。涙がにじんでくる。やめて、助けて。
胸を覆っていた白いレースの下着が乱暴に引き下ろされ、背中のホックがはじけ飛ぶ。後ろから伸ばされた手はゆっくりと執拗に乳房を揉みしだく。ときどき思い出したように乳首に触れ、指先で強く捻る。怖くて、痛くて、それなのに体が熱くなってくる。手の動きは止まらない。敏感になった乳首がこれ以上なく硬く尖り始めるまで弄られ続けた。
手の動きが止まる。
半裸にされた上半身から、今度は下半身へと矛先を変える。薄いスカートはもう何の意味も為さず、足を包んでいた肌色のストッキングは音も立てずに一瞬で破られた。足首のところにキラキラするストーンのついたお気に入りのストッキング。まだ買ったばかりだったのに。
破れたストッキングの穴から指が忍び込んでくる。足の間・・・下着の上から割れ目を何度もなぞるように撫でられる。ちょうどクリトリスのあたりを撫でられたとき、無意識に体が跳ねた。荒くなる呼吸を、漏れそうになる声を、押し殺してただ堪える。目を閉じる。はやく着いて。はやく。
また電車が大きく揺れる。乗客が一斉に傾いて体勢を崩す。それでもわたしを嬲る手はまだ逃してくれない。腰を抱えられ、下着と破れたストッキングを膝のあたりまで下ろされてしまった。戸惑う間もなく、指先がぬるりとわたしの中に入ってきた。
「やっ・・・」
思わず声が出る。指が根元まで押し込まれ、わたしの中でぐにゅぐにゅと蠢いている。ふいに隣に立つサラリーマン風の男がこちらを見た。半裸に剥かれたわたしの姿に気付いたのか、驚いたような表情を見せた。助けて、お願い。
指はいつまでも探るようにわたしの中で動き続けている。彼にも触られたことの無いような奥の方まで探っていく。恥ずかしい液体が太ももをつたって足首まで流れていくのがわかる。隣の男はただ好奇の目で見ているだけで、何もしてくれない。
そっと指が抜かれる。電車が揺れる。足元がふらつき、そのまま床に崩れそうになる。後ろの男はわたしの腰を支えながら、こちらを見ている男に何かを囁いた。隣の男が下卑た笑みを浮かべる。
足の間に硬いものが触れる。指じゃない。もっと太くて、すごく熱い。その先がわたしの入口を押し広げていく。後ろの男が呻き声をあげる。
「や、いやっ、やめて・・・」