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共犯ゲームU
【SF 官能小説】

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ブレンドX-1

僕の上司の矢崎さんはブレンドXという実験体の香水を渡した。
 矢崎さんはぼくよりちょっとだけ年上のかんじだけれどとっても美人でスタイルが良い人だ。
僕は毎回会うたびに白衣の下から鋭角的に突き上がっているバストが眩しくて目を逸らす。
この人はかなり立場が上の人らしい、すれ違う社員が年配の人でも必ず深く頭を下げるし、彼女自身は軽く会釈して返すことからもそれがわかる。
 研究開発部と言いながら、白衣が少しも汚れていないこと、その下に着ている服がきちんとしたスーツのようなボディラインが見えることでもそれがわかる。
そして長い足を更に長く見せるようなハイヒール。
研究所でいつも化学実験している人がハイヒールを履くだろうか?
 その彼女は僕に言った。
「研究開発もいよいよ大詰めに近づいて来たって感じよ。
これは絶妙の配合でブレンドしている製品だからよく観察してね」
 僕は大手化粧品会社のビルから出た。
そのとき携帯が鳴った。
女性誌『月間ウルウル』の記者のイズミさんだった。
取材の続きでぜひ会いたいという。
僕はタカシの学校に寄ってブレンドXを小瓶に分けたものをこっそり渡した。
少しでも多くの資料がほしいからである。
そして、その足でイズミさんと待ち合わせている場所へ向かった。
 イズミさんは僕を見つけると何も言わず腕を組んでカップル個室の店に入った。
僕はブレンドXがどんな配合のものかわからないので、いきなりこういう場所はちょっと不安だった。
席に着くと、イズミさんはときどき僕の股間を盗み見ていた。
今までは女性の体に反応していた香水だけれど、今度のは相手の男性の体に関心を持つような作用があるのかと思った。
イズミさんは躊躇いながら僕に質問した。
「あのう、こんなことお聞きするのは心苦しいんですけれど、男性の……つまりその……あの場所がそういうことになるのは……ああ、ごめんなさい。女性を抱きたくなるのは……いつでも大丈夫なのですか?」
 イズミさんはきっと男性器が勃起してセックス可能になるのは、いつでもOKかどうかということを聞きたいのだろうか。
「……だと思います。女性の体に刺激を感じればそうなります」
 イズミさんは少し身を乗り出した。
「じ……じゃあ、女性の体がどうなったら刺激を感じるんですか?」
 僕はちょっと考えた。そして少し回りくどい話をしたくなった。
「僕が山に登ってたときのことですけれど、ちょっと休んでいたらアゲハチョウが飛んで来ました。そして僕が傍に置いておいたタオルの周りを飛び廻っているんです。タオルの色はオレンジ色でした。後で調べるとそのアゲハチョウはオレンジ色の花の蜜を吸うチョウだったんです。つまり本能にインプットされているんですね。 それで花とタオルは形が違うのに色に反応していたんですね。
 ある実験ではメスの羽根の裏と表が赤と黒のチョウチョウのオスに裏表がそれぞれ赤と黒に塗られている四角い紙をピアノ線の先につけてヒラヒラさせて見せたそうです。するとオスのチョウはメスだと思って必死にその紙切れをおいかけたそうです。
 でも人間もそのチョウのことを笑えません。水着やホット・パンツの女性を見てもそれだけでは男性は興奮しません。でも女性のスカートが風で捲くれ上がると、とても興奮します。パンティまで見えなくても興奮するのです。見えるのは太腿だけで水着やホット・パンツと見えるものは同じなのにです。」
 イズミさんは立ち上がると、ハイヒールを脱ぎ僕の膝の両脇を跨ぐようにして椅子の上に立った。
 


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