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氷の解けた日
【SF 官能小説】

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合体アバター-2

「私が生前マチモリとしてやって来たことは卵子を提供してくれた処女の病気をその代価として治してあげることです。
それは卵子の半分のエネルギーを使って行います。
後の半分は私の体が年取ったときの若返りのために使っていました。
ですが、電子生命体になってしまった私には若返る必要はないので、生命エネルギーとして蓄積されることになります。
アニョンさまの卵子は1個なくなりますがそれによって、アニョン様の持っている体の弱い部分が補強されます。以上です。合体しますか?」

「合体すると、Dゲームの世界では私の形はどうなるんだ」

「見かけはあまり変わりませんが、ハヤテさまの性器が外部からは見えなくなります。
あと、顔が現在のアバターのものよりも平均顔に近くなります。
性器は体内に内臓されます。
 
 けれども、リアル・ゲームの世界に行くときはハヤテさまのアバター体が不安定なため、体のあちこちが歪んでグロテスクな姿になると思います。
もちろん現実に戻ったときには、今のままのハヤテ様に戻ります。
 但し一度合体すると、Dゲームの世界でもリアル・ゲームの世界でも元に戻ることはできません。
ピッギーである私のアバターも吸収されますのでいなくなります。
私の知識はすべてハヤテさまのものになるので、ナビの必要はなくなります。」

 私は後先短い老人だ。あれこれ予備知識を聞かされて悩むよりいちかばちかの勝負に出た方が私らしい。

「よし、早速合体してくれ。アニョンをあんまり待たせたくない」

 そしてそれは始まった恐らく一瞬のことだったと思うが、私は暗闇の中で全身の細胞が激しく移動するのを感じた。
そして以前からそうだったように新しい自分のアバター体を認識した。

 私の両手両足には副脳という物が一個ずつ入っている。
その副脳には男性器か女性器のどちらかがついている。
それは従来の私の性器ではない。
マチモリのものである。
 
 また私の性器があった場所にはマチモリの主脳というものがあってそこにはマチモリの男女の性器が備わっている。
私の男性器は完全に内臓されてしまってマチモリの主脳や性器と同居している。
 
 またマチモリの主脳は私の脳と無数の神経でつながっていて、必要な知識はいつでも伝えられる仕組みだ。

 私はマチモリが何者か、より詳しく知ることができた。
そしてひ孫のミアとどうやって知り合ったのかも。
私の病気を治したのもマチモリだということも。
マチモリ自身は行政側に捕えられて殺処分されたということも。
だがここではそのことを反芻している暇はない。


 私は初夜のベッドの上にいた。白雪姫は私を見るなり言った。

「王子さま。本当に私とセックスするのですか?
それとさっきと顔が違っているみたいだよ。ちょっと素敵になったかな」

 喋り方はアニョンの口調になっていた。
正規の物語は著作法によって決められた台詞によって縛られるが、オプション部分は拘束力がないため、ゲーマー本来の喋り方に戻るのだ。
まだ姿形は白雪姫のままではあるが……。

 私は白雪姫の体を電子分析して透視した。
 彼女はよく発育した16・7才の処女の体をしていたが、その中に入っているアニョンの体はいつも見る細い体で、さらに幼いものだった。
胸はフェアリー・キャップのように先が細くて根本が丸い未熟な乳房だし、恥毛も薄く小陰唇も大陰唇の内側にほぼおさまっている。
膣内も子宮もまだ小さく十分に成熟した性器とはいえない。 

 


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