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あまこい
【学園物 官能小説】

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さざ波-1

 堀田との喧嘩の翌日、佳奈は重い足取りで学校に向かった。
時刻は昼を指していた。この時間帯になるまで佳奈は学校に行くことを迷っていた。ようやく勇気を振り絞り学校に着き自分の教室に入ると、クラスメート達は佳奈をよそよそしく見てきた。
佳奈はその態度に不安を感じながらも自分の机に座り、何事もないように振る舞った。そこへ亜美が佳奈に声を掛けた。

「佳奈、あんた何かあったの?」

「な、何もないけど」

「でも昨日……」

「昨日?」

亜美は言葉が詰まり、話題を変えた。

「あっごめん、何でもない、それより二日も休んで風邪でも引いたの?」

佳奈は亜美の不可解な話し方に、胸騒ぎを感じた。

「亜美ちゃん、昨日何かあったの?」

「えっと、知らないんだ、てっきり知っていると思ってたんだけど……」

いやに気まずそうなそぶりに佳奈は苛立ちを感じ、強い口調で問い詰めた。

「何があったの、教えて?」

「佐々木、居ないでしょ?」

「ジュンちゃん?昼休みだから格技館に居るんじゃないの」

「居ないよ、当分学校には来ないよ、もしかしたらもう学校には来れないかもしれない」

「え……どういうこと」

「昨日、佐々木と堀田が喧嘩して、佐々木が堀田を半殺しにしたんだよ。救急車が来るほどの大騒ぎで、
噂では佐々木が喧嘩をした理由は佳奈を傷つけたからじゃないかって」

「ジュンちゃんが」

亜美は佳奈の深刻な顔をを見て、ため息混じりにに言った。

「あんた絡みで佐々木は停学処分だよ。一体何があったの?佐々木があんなに切れるなんて以上だよ」
「………」

佳奈はショックを隠せず涙がポロポロとこぼれていた。

「佳奈……」

亜美は言いすぎたと後悔するが、佳奈に語りかける言葉もなく、そっと佳奈の頭を撫でた。

 ジュンと堀田の喧嘩は警察沙汰にまで発展し、その日ジュンは警察所で事情聴取を受けた。ジュンは堀田との喧嘩の理由は、自分を部落呼ばわりしたからと言い、佳奈には触れなかった。普通であれば堀田の怪我は暴行罪で少年院に入れられるのだが、堀田は佳奈の事を恐れ、ジュンに罪はないと言い、自体を沈静した。


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