ジュン-3
私は近くにある水道で顔を洗い、心を落ち着かせると、教室に向かった。教室前のロッカーから鞄を取りにいくためだ。
教室前のロッカーを開け、鞄を取り出だし、私は教室を後にしようとした。
「ねえ、槙野さんのこと知ってる?」
「え、なに」
教室の中から女子の声が聞こえる、どうやら私の噂をしているらしい
「槙野さんの噂、本当だったらしいのよ」
「え、何、何の噂?」
どうせまた私の悪い噂だろう、でも、気になる、傷つくって分かっているけど、やっぱり気になる。
私はそこに立ち止まり、聞き耳を立てた。
「槙野さん、見知らぬおじさんといかがわしいお店に入る所を、私の知り合いが見たって」
うそ………
「えー、それって、売春」
「うん、多分、あの娘のお嬢様気取りは売春からきているのよ」
「うわー信じられない、気持ち悪―い、」
「でしょ、気持ち悪いでしょ」
「裏で何かやっているようなことを聞いてたけど、本当だったんだ」
何なの、その噂、私、そんな売春なんかしてない、おじさんとなんか………私の頭を滑川が過ぎる、きっと滑川との噂は過激になるんだろうと、思った。そう思うと、無償に腹が立つ。