タイミング-4
振り返ると、彼女とは性欲でしか向き合っていなかった。会話もあんまりしなかったし、ただ体だを求めていた。からかわれて当然だ、遊ばれて当たり前だ。最低だ僕は。こんなんで真琴先輩が好きだなんて……男として、人間として自分が情けない。彼女の綺麗な肌を想うと、自分の汚い醜さに思い知らされる。
「ジュンちゃん?何してるの?」
知っている声が耳に入った。僕は声のする方に顔を向くと、そこには幼馴染みの佳奈が目をしかめて僕を見ていた。
「な、何してるの、ジュンちゃん」
嘘だろ。バス停でオナっている所を見られるなんて、冗談だろ。何で佳奈がいるんだよ。なんなんだよ。僕は右手に握るアソコを強く握り締め、叫んだ。
「うわぁぁぁー!」
息苦しい夏の初頭、僕は初めて頭が真っ青になった。
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-つづく-