始まり-1
僕は普通の大学生だ…多分、しかし、人に軽蔑されるような事はしていないし、目立つ事もしていない、極普通の大学生活を送っている。だが、そんな僕でも人には言えない事はある。僕の性的思考だ。
人は性的思考を余り他の人には言わないものだが、僕の性的思考は他者に言うと、完全に引かれてしまう、それほど他の人と僕の性的思考は食い違っているのだ。
この性的思考に芽生えたのは中学の時、そして始めて恋をしたのも同じ時だった。
中学に入るまで、僕は女には興味は無かった。同年代の女にも、年上の綺麗な女にも魅力を感じなかったのだ。僕の目に映る女達は軽々しいと言うか、深みがないと言うか、薄っぺらいと言うか、なんとも言えないのだが物足りなさを感じていた。僕と同い年の男子はそんな女達に興奮していたが、彼女達の何処が良いのか僕には理解出来なかった。
そしてその初恋の女の子にいまだ恋をしている。彼女は余りものを話さないタイプで不思議ちゃんだ。
その魅力は無限大で、細身の体に長い髪、髪からちらりと見える白目のつぶらな瞳、白の服がやっぱり似合う、僕の可愛い、可愛い貞子ちゃん。彼女の事を考えると胸が痛くなる。そう、僕はホラー映画リングの貞子ちゃんに恋をしているのだ。