イーゴア-2
もう昼近くだった。イーゴアが悲鳴をあげると、シャンレンが飛んで来た。
「おお、ビーチーチョンになった。ご苦労ご苦労。ここに来て茶を飲むが良い。」
上機嫌なシャンレンが勧める茶を飲むと、急に気が抜けたのかイーゴアは深い眠りに落ちた。
イーゴアは長い眠りから目が醒めた。
そばにイーゴアと同じくらいの年齢の美しい少年がいた。
イーゴアは裾の長い白い服を着せられていたが、その下には何も身につけていなかった。
少年も白い服を着ていたが、イーゴアを見るとにっこり笑った。
イーゴアは体を固くして頬を染めた。
何故かとても恥ずかしかった。
そこへシャンレンが現れた。
「おお、目が覚めたか、お前は3日間寝ていたぞ。
さあ、食事を取って、栄養をつけるのだ。」
シャンレンは固く焚いた穀物を団子状に丸めたものをイーゴアに与え、少年には名前も分からない山菜を生のまま与えていた。
そしてシャンレンはイーゴアを呼びつけて話を始めた。
「良いか。お前は後宮に入って王族に仕えることになる。
その為には今よりももっと美しくならねばならない。
お前がケンツァオ・クーイーを蘇生させてビーチーチョンにした結果、お前はビーチーチョンに命の珠を授けてあの若者が生まれたのだ。
彼は天人であって、人ではない。
お前が彼を蘇生させた礼として、お前をより美しく、より艶やかにしてもらう為に腎を強くして貰う。
腎は髪の毛や皮膚や骨と関わりがある。
そして、体内の気のめぐりを変えてもらって、下半身に溜まった脂肉を燃やして貰う。
そのためにお前は彼とあと2度まぐわわなければならない。」
イーゴアはびっくりした。
「まぐわうって、おそそするってことかい?
おら、そんなこと恥ずかしくってできねえ!」
「落ち着け、まぐわうと言っても、村人たちがやってるのと違って、天人とまぐわってもその跡が残らない。それにお前は既に一度まぐわっているのだ。
天人に命の珠を与える為に、お前の産道に彼を受け入れて、眠りながらも随喜の涙を流していたのだ。」
「ええっ? おらそんなことしたんだか? ちっとも覚えていなかっただ。」
「まぐわった印もないのに、男と百度や千度まぐわったと同じほどの色香と艶やかさが備わるのだ。
しかも、その体も容貌も麗人のごとく気品高いものに変わるのだ。」
シャンレンは、そう説得してイーゴアと天人を同衾させた。
そのやり方は足を投げ出して座る天人にイーゴアを向かい合わせて局部だけ直に密着させるのだ。
その際に何故かイーゴアの女陰の毛は事前に剃り落とされてあった。
また、布を使って二人の腰を縛り、ただじっとしているだけであった。
イーゴアとて村の男女が野合しているのを見たことがあるが、随分勝手が違うのでただ驚いていた。
ところが間もなく産道になにやら入り込み一杯に満たされたかと思うと産道も子袋もうち震え、体の芯が痺れるような快感がイーゴアを襲った。
もはや、声を立てずにはいられず、イーゴアは叫んでいた。
シャンレンはその最中ずっと付き添って、天人に色々指導していた。
天人は言葉を知ってはいるのだが、蘇生したばかりなので記憶が十分戻っていない。
だからシャンレンの言葉が片言しか通じない。
そのため、シャンレンは気の流れを伝えてイーゴアの体を改善させた。
一度目のまぐわいが終わった後、イーゴアは2日間寝込み、その後5日経ったとき彼女の太めの下半身は野鹿のように細くなった。
また肌は餅のように肌理細かく、黒髪は艶やかに光っていた。
そして2度目のまぐわいの後ではイーゴアは1日しか寝込まなかった。
その後イーゴアの体は柔らかくなり、骨がないがごとく柔軟になった。
そして歯並びが揃い真っ白になり、爪も桜色に艶やかに光った。
目元は涼しく、伏目や流し目の一挙一動が艶やかで男心を捉えるようになったのだ。
待ち構えていたようにファン・リーリがイーゴアを連れにやって来た。
彼はイーゴアの変身に驚き喜び、後は作法や言葉遣いを教えるだけだと喜んで連れ帰って行った。