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俺のち彼女
【学園物 官能小説】

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一部の地域で迷惑-10

「……以上……」

 大きく息を吐いた芳郎に、西園とその親父さんまでもが抱きつく。

「ぐえぇっ」

「ありがとう、ありがとう!!今村ぁ」

「やめろぉ!!離せぇ!!苦しいっ!!」

 号泣する男2人に抱きつかれた芳郎は、結局2人が泣き止むまでそのままだった。

 その頃、璃子は鏡の前で最終チェックに余念がない。
 悩みに悩んで春らしく白いバルーンスカートに、パステルピンクのチュニック。
 白レースの上着に足元はグラディエーターにしてみた。
 髪型も綺麗にセットしてナチュラルメイクもバッチリ。
 いつ芳郎からメールが来ても大丈夫だ。

(……私服で会うの初めてだな……)

 なんか、ドキドキと落ち着かなくて部屋でウロウロしてしまう。

〜♪

 その時、芳郎からのメールが届き、璃子は思わず飛び上がった。

[今から東駅にいく]

[待ってるね]

 送信。

「よし、行ってきま〜す」

 璃子はウキウキと家を出て待ち合わせ場所へと急ぐ。

 しかし、待ち合わせ駅のひとつ前の駅で璃子は電車を降りていた。

(うう……吐きそう……)

 たちの悪い幽霊に絡まれ、無視を決め込んだのだが大量に霊気を浴びてしまい気分が悪くなったのだ。

『あれぇ?璃子?』

 駅のベンチに座っていると聞き覚えのある霊の声が聞こえた。

「え?沙耶……ちゃん?」

 璃子はキョロキョロと周りを見渡す。

『ああ、もう見えないと思うよ。どうしたのぉ?酔った?』

「うん、ちょっと……」

 璃子は周りに不審がられないようにハンカチで口を押さえて答えた。

『ちょっと待っててね』

 そう言ってどこかへ去った(らしい)沙耶を、璃子は律義に待つ。
 すると、通りの向かいにある喫茶店から小柄な女性が出てきた。

「あら、霊気にやられちゃったみたいね……」

 璃子に真っ直ぐ近づいた女性は璃子の様子を見て直ぐに気づく。


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