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どうして....好きになってはいけないの?
【純愛 恋愛小説】

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朝陽に包まれて....-1

朝、目を覚ました舞姫は優羽の腕の中で眠っていた事で昨夜の出来事が夢でない事が確認出来た。舞姫がそっと顔を上げると、優羽はまだ気持ち良さそうに眠っていた。舞姫は優羽を起こさないようにそっと起き上がり
「おはよう...優羽....」
優しく呟いて、唇を重ねた。

優羽が目覚めた時、舞姫の姿は優羽の腕の中になかった。昨夜の出来事は夢だったのかな....一瞬そんな思いが優羽の脳裏を掠めた。キッチンのほうで音がするので、顔を上げると舞姫が料理をしているのが見えた。優羽は起き上がり、キッチンに行って舞姫に声をかけた。
「おはよう!姉さん!」
「あっ...おはよう!」
舞姫は振り向いて
「ゴメン...起こしちゃった?」
そう言って、優羽に笑顔を見せた。
「ううん...言ってくれれば....作ったのに.....」
優羽がそう言うと
「これでも...私だって女の子なんだから....好きな人に朝食を作ってあげたいって思う時もあるわ!」
「えっ?女の子?」
「そこ?そこはスルーしてよ!」
舞姫はそう言って笑った。優羽もつられて笑った。
「もう少しで出来るから待ってて!」
「うん!」
優羽が待っている所に舞姫が朝食を運んで来た。少し焦げたトーストに黄身が崩れた目玉焼きそれに薄切りのハムが添えられていた。舞姫のオリジナルレシピでの味付けされてない事に優羽は安心した。
「もう少しお料理の勉強をしたほうがいいのかな?」
舞姫が恥ずかしそうに笑った。
「気にする事ないよ!」
そう言って優羽も笑った。


「何時に帰るの?」
「お昼過ぎので帰ろうかなって思ってるんだけど....」
「俺も一緒に帰ってもいいかな....」
「えっ?どうして?」
「父さん達に....俺達の事.....話そうと思う....」
「何言ってるの!話したって....」
「許してもらえるなんて思っていない....報告するだけ....俺は....姉さんと....ずっと一緒に生きていくって....」
「優羽.......」
舞姫の目から涙が零れた....
「姉さん?どうしたの?」
「ゴメンね...何か嬉しくて.....」
舞姫は涙を拭いながら答えた....
「それじゃ...一緒に帰ってもいいんだね?」
「うん......」
舞姫は大きく頷いた。
舞姫はずっと不安だった....自分の気持ちにウソはない....本当に優羽を愛している....これからもずっと優羽を愛し続ける....しかし....自分の我が儘に優羽を巻き込んでいいのか....例え優羽が自分の事を好きだと言ってくれたとしても....誰からも祝福されない....イヤ....後ろ指を差される....そんな事に優羽を引きずり込んでいいのか....優羽はどこまで本気で自分の事を....今は好きだと言ってくれているが....そんな自分の不安を優羽に気づかれないように明るく振る舞っていた....でも....優羽は....本気だった....本当に自分の事を....それがわかったから....舞姫は涙を流したのだった....


「舞姫が帰って来たら、ちゃんと謝って下さいよ!」
「わかった....」
今回の舞姫の家出は和雄にとって相当堪えたようだ。「夕方過ぎに着くってさっき連絡がありましたから...」
「ああ.....」
和雄は力なく返事した。



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