二人が選んだ未来(こたえ)-5
「待って...優羽.....」
「えっ？」
「最後まで...話しを聞いて....」
「うん.....」
「もし.....このまま進んでしまったら....私....二度と....優羽には逢わない........」
「えっ!?」
「正直言って....このまま優羽と一つになりたい....そう願っている私が確かにいるわ......」
「それなら.....」
「でも....優羽と一つになれば....どうしてもその先を望んでしまう....きっと優羽との子供が欲しくなる....そうなるとその子は....父親のいない子になってしまう....優羽なら父親と名乗れ無くても責任を持って育てくれる....それはわかっている....でも父親の代わりにしかなれない....戸籍上自分の子供として認知する事は可能よ....でもそれは....血が繋がった姉弟の間の子供の証明になってしまう....そんな事出来ない....だから....優羽と一つになれば....自分を抑えるために....二度と優羽には逢わない....それでもいいなら....来て.....」
舞姫の目はその言葉がウソでない事を証明していた....
「そんな事言われたら.....これ以上進めるわけないよ......」
優羽は体の力が抜けたように、その場に座り込んでしまった....
「やっと.....姉さんと思いが通じ合えたのに....姉さんと逢えなくなるなんて....絶対イヤだ!!....姉さんと一緒にいられなくなら....姉さんと一つになれなくてもいい....だから....ずっと俺の隣にいて下さい....俺と一緒にいて下さい....お願いします.....」
「ありがとう...優羽....」
舞姫は優羽の傍に行って優しく抱きしめた....
それから....少し体を離して
「優羽.....」
優しく話しかけた....静かに顔を上げた優羽に
「これくらいなら...神様も許してくれるよね.....」
舞姫はそっと自分の唇を優羽の唇に重ねた....
二人が選んだ未来(こたえ)は....二人で共に歩いて行く事....お互いの気持ちを知ってしまった以上....普通の姉弟には戻れない....だからといって夫婦のような関係にも進めない....そんな微妙な関係がいつまで続けられるのか....二人にもわからなかった....ずっと一緒にいたい....その思いが変わらない限り続けられる....それだけは確かだった....