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俺のち彼女
【学園物 官能小説】

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時々、幽霊?-9

「バっ……!!」

ドクッビュルッ

「んっ?!」

 耐えられなかった今村は加藤の口に欲望を吐き出してしまう。
 口の中に広がった何とも言えない妙な味に加藤は一瞬顔をしかめるが、そのままコクリと喉を鳴らして飲んでしまった。

「っ悪いっ……って飲んだのか?!」

「んっ……え?飲むものじゃないの?!」

 ネット検索の知識は偏っている。

「不味いだろ?」

「ん〜…美味しくはないけど……平気……」

 加藤は自分の唇を舐めてにっこり笑った。

(あ……やべっ)

 再び勃ちそうになった今村は、慌てて下着とズボンを引き上げる。

「あ〜…っと……とにかく、サンキュー……」

 チャックを上げてベルトを閉めてなんとか下半身を封印。
 加藤も立ち上がりパタパタとスカートを払うと、ふと2人の目が合った。

「ぷっ」

「くくっ」

「「あはははははっ」」

 同時に2人は笑いだしてしまった。

「はははっ何やってんの?俺ら」

 いくら霊を昇天させるためとは言え、お互いの性器を舐め合うなど……どうかしてる。

「ホント……意味わかんないっ」

 しかも、相手はただのクラスメートだ。
 ひとしきり笑った2人は鞄を持って化学準備室を出ると帰路につく。

「ふわぁ、キレ〜イ」

 茜色の空に加藤が歓声をあげて、両手を広げた。
 その、子供の様な後ろ姿を見ながら今村はつい笑ってしまう。

「なに?」

 振り向いた加藤は不思議そうな顔で首を傾げた。

「いや、お前さ……眼鏡無い方がいいぜ?」

 今村はポケットから加藤の眼鏡を出して見せる。

「っあぁ!!」

 すっかり忘れてた加藤は慌てて今村の手から眼鏡を取り返そうとした。

「明日返してやるよ」

「えぇ〜っなんでぇ?!」

 眼鏡を高く持ち上げた今村は、ジタバタしている加藤の頭を押さえて悪戯っぽく言う。

「さあね」

 これ以上頑張っても無駄だと思った加藤は、ぷうっと頬を膨らませて今村から離れた。

(これで、明日も加藤と話せる……)

 きっかけは酷いものだったが、加藤にすっかり魅せられてしまった。
 今村は入学式依頼、初めて翌日の学校が楽しみになった。


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